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取締役のスキル、企業が開示 マトリクスで一目瞭然

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NIKKEI STYLE

上場企業が取締役の専門性やスキルをマトリクス図で紹介する動きが広がっている。企業統治(コーポレートガバナンス)の強化を目指し、女性や外国人などダイバーシティ(多様性)への配慮や全体としてバランスのとれた運営が求められているからだ。

資生堂は2020年の株主総会の招集通知で、役員(取締役と監査役)のスキルマトリクスを紹介した。「取締役会の多様性と必要なスキルをメンバー間で押さえていることを理解してもらうため」と同社は説明する。

取締役8人のうち女性は3人。マトリクスを見ると、社外取締役の石倉洋子氏と大石佳能子氏は「グローバル経営・事業戦略」「ESG(環境・社会・ガバナンス)」の2分野に◆が付いている。生え抜きで今年から取締役となった鈴木ゆかり氏は「グローバル経営・事業戦略」と「マーケティング」関連に強みを持つことがわかる。

社外役員のみスキルマトリクスを開示したのは三井物産。社外取締役5人のうち3人が女性で、それぞれの専門分野が「企業経営」「法律」「財務会計」と分散する。「当社が社外役員に期待する役割を理解してもらいたい」(三井物産)

専門性を開示するのは女性活用をアピールするためではない。女性取締役がいる企業ではジェンダー平等の実現や年齢、国籍など様々なダイバーシティを考慮する実務が定着している。「女性であるという理由だけで登用していない」(資生堂)。取締役のスキルや経験、視点のバランスも考え、あくまで本人の人格や識見を見込んでの選任であることを示している。

株式市場で話題となったのは将来の取締役候補である執行役員のスキルも開示した企業があったことだ。

キリンホールディングス(HD)は取締役に加え、執行役員のスキルマトリクスも今年の株主総会で示した。8人いる執行役員で紅一点の坪井純子氏は全9項目のスキルのうち「ESG・サステナビリティ」と「ブランド戦略・マーケティング営業」の観点で選ばれた。

スキルの開示により、足りていない分野が一目瞭然となる。社外取締役の数が重視される取締役会に対し、社内幹部である執行役員のスキル開示は、社内の多様性拡大を促すことにつながりそうだ。

欧米では一般的だったスキルマトリクスの公表が日本で活発になったのは今年から。社外取締役が増え、経営陣の監督という取締役会本来の役割がクローズアップされ始めたことが背景にある。

伝統的な日本企業の取締役会は内部昇格の男性で固める傾向があった。ガバナンス助言会社のプロネッド(東京・港)が7月1日時点で東京証券取引所1部上場の約2170社を集計したところ、女性取締役(社内・社外)は1354人と昨年比2割増えた。こうした取締役会の質的な変化が企業のスキルマトリクス策定を後押ししている。

一方、今年の株主総会ではコロナ対策による開催時間短縮の影響もあり、女性登用に関する質問が減少した。しかし、ダイバーシティに対する株主や投資家の関心が低下したわけではない。男性のみの同質的な取締役会では物事を多角的な視点から評価できないとして性・人種・スキルといった観点での多様性の確保を重視する傾向が続いている。

実際、今年の株主総会では「役員に女性が1人もおらず、対応が遅れている。役員・管理職への女性の登用を会社はどう考えているのか」(サービス)、「将来的には役員の比率が男女50対50になることを望む」(電気機器)、「取締役メンバーは日本人男性だけである。女性や外国人といった多様化について、会社はどう考えているのか」(証券)といった会社の意志をただす声が相次いだ。

今年マトリクスを初めて公表したものの女性取締役がゼロだったのはクボタ。同社は女性監査役が1人いる。しかし監査役は取締役会に出席できるものの議決権がないため「経営陣の監督機能が相対的に弱い」と投資家は取締役選任を求める傾向にある。同社も「投資家からは取締役会の多様性について多くの意見をいただいている」と認める。

社外取締役や女性取締役が主要企業で増えたとはいえ、まだ十分とはいえない。「日本企業の多様性をさらに広げるためにスキルマトリクスを各社が策定・導入し、自社の取締役会の多様性を確認するとともに、開示することが望ましい」とニッセイアセットマネジメントの井口譲二チーフ・コーポレート・ガバナンス・オフィサーは指摘する。

部長も公表、士気向上

取締役会の多様性で見落とされがちなのが社内出身の女性の社内取締役だ。プロネッドによると、東証1部上場企業の女性の社内取締役は231人と、1年前より10人増えただけ。1部上場企業の9割では、今も女性の社内取締役が1人もいない。

「女性の経営人材がまだ育っていない」――。経営トップからは嘆きの声も聞こえるが、女性の人財プールを広げるには隗(かい)より始めよ。キリンホールディングスは、執行役員のスキルを株主に開示した。同じように一般社員に、部長級以上のスキルマトリクスを開示してはどうか。幹部のロールモデルが示されれば、後に続く若い社員のやる気も上がるはずだ。

(木ノ内敏久)

[日本経済新聞朝刊2020年10月5日付]

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