抗菌・防しわ…スーツも進化 最新「生地図鑑」(下)

MEN’S EX

2020/10/9
MEN'S EX

スーツやジャケットをオーダーする際、知っておきたいのがバラエティ豊かな生地の特性だ。基本的な生地については「十分理解している」と思っている洒落者はきっと多いと思う。が、男性の装いが時代とともに変化するにつれ、ニーズも変化する。この数年はまさに激変。その中、ファブリックのラインアップにも、最近は大きな変化が表れている。一方で、働き方に合わせた機能素材も次々に登場。中には抗菌性を持ったものまで登場してきた。そんな激動の生地事情を紹介する。あなたの生地の知識を、ぜひアップデートしてほしい。




今求められるのは、洒脱セットアップを支える生地

「コーデュロイ、ツイード調」

スーツに変わり、上下の単品使い、またはスーツとしても着られるセットアップの人気が急上昇中。汎用性の高さゆえ、今後は従来のジャケスラのポジションに代わる存在になりそうだ。そんなセットアップでは、オーソドックスなスーツ風の生地よりも、コーデュロイやドネガルツイードが注目されている。その理由は個性的かつ英国カントリー風でも色柄が主張しすぎないから。タータンチェックなど伝統的な英国柄のツイードも、根強い人気を誇るが、こちらはジャケット用に選ばれることが多い。

このジャンルの特徴
・軽快感や洒落っ気の強さがポイント
・現代的な仕上げのものも増えている
・イタリア製生地も英国風に注力
・英国カントリー調が人気高し

MAGEE(マギー)

【ドネガルツイード】かつては硬い印象の強かったツイードだが、写真の一枚は昔気質のものと違い、ソフトな仕上がり。グレー系の地色に赤いネップの入った素材で、風合い、色調とも過度にカントリー風ではなく、日常使いしやすい。

1866年、ジョン・マギーが手織りのツイードの取り扱いを始めたのが起源。アイルランドを代表するドネガルツイードの名門だ。

HARDY MINNIS(ハーディー ミニス)

【エスカデール】スラックス用として企画されているが、スーツとしても重宝されているのが「エスカデール」のコーデュロイ生地。仕立て映えするハリとコシを備えている。流行に関係なく、定番として長く愛用できる太めの畝も魅力だ。

エリザベス女王のロイヤルワラントを保有することで知られるイギリスの生地ブランドの実力派。ハダースフィールド ファインウーステッドグループの筆頭ブランドである。

NAKADENKEORI(中伝毛織)

【尾州ツイード】かなりハリがあり、素朴な風合いを披露するオートミル。三越伊勢丹のエクスクルーシブ生地で、紡毛を得意とするメーカーらしい、重厚な仕上がりに。 オーダースーツ18万円/テーラーケイド(伊勢丹新宿店)

創業1889年以来、尾州における毛織業を牽引し続ける最大手。紡毛生地を中心に尾州毛織の伝統を守りながら、イベント「ツイード・ラン」に協力するなど、文化的な掘り起こしも積極的。

HOLLAND & SHERRY (ホーランド&シェリー)

【ムーアランドツイード】適度な厚みはあるものの、古風なツイードより毛羽立ちも控え目で軽やかかつ、ソフトタッチ。ミックスヤーンによる色の深みも見事。 スーツ13万3500円/麻布テーラー(Y&Mプレスルーム)

1836年創業の英国高級服地マーチャントの老舗。ウールをはじめ、コットン、シルク、リネン、カシミアなど豊富なコレクションでも名高い。

REDAELLI (レダエリ)

【コーデュロイ】ライトウエイトで都会的な装いができる今どきのコーデュロイがこちら。畝が細く悪目立ちしない点が特徴。コーデュロイとしては薄い部類でコンサバに見せつつ、いまどきの実用性にも優れている。

1893年設立。マルゾットグループの一員で、特にベルベットを得意とする。現在は化学製品の使用を減らす、エコな取り組みも行う。
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いつでも好きな季節に着用できる素材が重宝される
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