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新型折り畳みバイク ペダル付きでも、こがずに走る

電動パーソナルモビリティーの選び方 第1回

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NIKKEI STYLE

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、テレワークなど、日々の行動範囲を制限する生活が長く続いてきた。一方で、まずは近距離から観光に出かけるなど、少しずつではあるが、活動の場を広げようとする動きもある。しかしまだ、できれば混雑する電車やバスなど公共交通機関の利用は最小限にとどめたいという人も多いだろう。

そこでにわかに人気を集めているのが、電気の力を借りて近距離をラクに移動できる電動パーソナルモビリティーだ。クルマほど場所を取らず、気軽に乗れる。歩くよりはスピードが速く、電気の力でスムーズに移動できる。本連載では、個人が手軽に移動できる新しい乗りものとして、電動キックスケーターや電動アシスト自転車、電動バイクなど、最新の電動モビリティーに試乗し、使い勝手を検証する。

今回紹介するのは、自転車のような見た目の電動バイク「glafitバイク GFR-01」だ。和歌山発の乗りものベンチャー、グラフィットが2017年にクラウドファンディングサイトの「Makuake」で支援を募集。約1200人から当時のMakuake最高額となる1億2000万円以上の支援を獲得し、製品化された。現在は同社オンラインストアや車用品大手のオートバックス、量販店のビックカメラなどで販売しており、これまでに約5000台を売り上げている。直販価格は15万2680円(税込み)。

一見すると、普通の折り畳み自転車で、ペダルをこいで進むことも可能だ。だがよく見るとハンドルにはバックミラーが装備され、シートの後ろにはナンバープレートが付く、れっきとした電動バイクである。いわゆる原付き一種扱いとなるため、乗るには免許を携帯し、ヘルメットをかぶる必要がある。必要な免許は、原付き免許のほか、クルマの免許(普通自動車免許)でもOKだ。

自転車以上、バイク未満の「気楽さ」

バイクと同じようにハンドル部分のスロットルをひねると、GFR-01は音もなく、するすると加速を始めた。ペダルをこぐ必要はない。乗っている感覚は完全に自転車なので、力強く背中を押されているような新鮮な感覚だ。ちなみにスロットルをひねる代わりにペダルを回して走ることもできる。このときも、あくまで電気の力で走行するため、ペダルをこぐのに力は必要なく、空回りしているような軽さだ。

最高時速はライダーの体格やバッテリー残量にも左右されるが、平地で20キロメートル台後半というところ。ちょっと速い自転車、という感覚だ。車体の作りはほぼ折り畳み自転車と同じなので、スピードを上げると道路からの衝撃も大きくなり、安定感もなくなってくる。このため、これ以上スピードを出す気にはならない。

平地では快適に走れるGFR-01だが、上り坂ではスピードが落ちる。そんなときはペダルの出番だ。一生懸命頑張るモーターを人間がアシストするような感覚でペダルをこぐと、ぐいぐいと坂を上ってくれる。あくまでモーターがメインなので、電動アシスト自転車よりもラクに上れる印象だ。

走りはラクだが、「意外な制約」も

GFR-01を通勤や近距離移動の足として考えたとき、多くの人が比較対象とするのはスポーツタイプの電動アシスト自転車だろう。10キロメートルくらいの距離をそれなりの速度で移動可能で、小回りがきくという部分は共通している。その上でGFR-01のメリットは、何といっても「足を動かさずに走れる」ということだ。

「電動アシスト自転車でも大差ない」と思うかもしれないが、意外にこの差は大きい。というのも電動アシスト自転車は「時速10キロメートル未満のときペダルの踏力とアシストの力が最大1:2まで」「走行速度が上がるほどアシスト比率が減少し、時速24キロメートル以上ではアシストの力が0になる」という道路交通法の基準がある。このためスポーツタイプといえど電動アシスト自転車でそれなりのスピードで移動するには、しっかりペダルをこぐ必要があり、どうしても目的地に着いたら汗だく、という状況になりやすい。その点GFR-01は基本的にこぐ必要がないので、長距離を走っても涼しい顔をしていられる。

一方、GFR-01には電動アシスト自転車にはない不自由さもある。それは原付き扱いであるため、「自転車の特権」が利用できないことだ。例えば一方通行の道路。一方通行の標識をよく見ると「自転車は除く」という補助標識がついていることが多い。こういった場所では、自転車はどちらの方向にも走行できる。だが原付き扱いのGFR-01は、当然一方通行を守らなければならない。場所によっては走行の自由度に大きな差が出るだろう。また幹線道路の歩道などには自転車レーンが設定されていることもあるが、こちらもGFR-01は通行できず、クルマに交じって車道を走らなければならない。

手軽で便利だが、まだ使う人を選ぶ

ではGFR-01を50cc以下のいわゆる原付きスクーターと比べたらどうだろうか。大きな違いは大きさと重さだ。一般的に原付きスクーターの重さは70キログラム前後あり、例えば歩道を押して歩くのは大変だ。一方、GFR-01はわずか18キログラムしかないから、自転車感覚で押し歩きでき、ひょいと持ち上げて方向転換することも可能。より気軽に乗ることができ、知らない道にも入っていきやすい。毎日5キロメートルの道のりをGFR-01で通勤しているグラフィットの武居健氏も「通勤途中にちょっと寄り道して新しい道を探すのが楽しい」と話す。

自転車サイズなので、駐輪しやすいのもメリットだ。基本的に駐輪場のルールに従わなければならないが、商業施設などでは警備員の方に声をかけたら自転車用の駐輪場に止めさせてもらえたこともあった。

GFR-01の航続距離は、カタログ値で約40キロメートル。ただしライダーの体重や発進停止の回数、坂道などにより大きく変わるので、街乗りでの目安は約20キロメートルとのこと。つまり片道10キロメートルが行動範囲だ。他の交通機関と組み合わせれば、その範囲はぐっと広がる。折り畳んでクルマに積むこともできるし、自転車用の輪行袋に入れれば電車もOK。この機動性の高さもGFR-01の魅力だ。

今後、ルールが変わって便利になる可能性も

日常の足として、GFR-01はどう活用できるだろうか。乗り方は自転車に近く、使い勝手はよい。そして自転車よりも長距離をラクに移動できる。自転車と共通のパーツが多いので、自分好みにカスタマイズできるのもいいところ。グラフィットの武居氏は、会社としてカスタマイズは推奨していないが、と前置きをしながら「サドルのように直接触れる部分を自分に合ったものに交換すると効果が大きい」と教えてくれた。

一方、原付き扱いであるため自転車と比べて制約もある。具体的にはバイク用ヘルメットの着用義務があることや自転車専用レーンを走行できないこと、一方通行を免除されないことなどで、使う状況によってはこれらがデメリットと感じるかもしれない。そういう意味では、まだ使う人を選ぶ製品だ。

だが今後、この状況は変わっていく可能性もある。実はグラフィットは、19年より和歌山市と共同で「規制のサンドボックス制度」を利用した実証実験を行っている。モーターを使わない「自転車モード」のみに限定した車両を用意し、自転車扱いで走行できるようにするというものだ。「自転車モード」のときは自転車同様の扱いにしても安全であることを実証し、将来的な規制緩和につなげていくのが狙いだ。もし「自転車モードなら自転車扱い」が実現すれば、電源をオフにすることで一方通行問題や自転車レーン走行がある程度解決される。GFR-01の活躍の場はますます広がるはずだ。

(ライター 出雲井 亨)

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