妻夫木聡らに笑いと共感 宝くじのCM好感度が急上昇
2020年8月度 CM好感度月間ランキング
CM総合研究所が発表する8月度の銘柄別CM好感度ランキングで、サマージャンボ宝くじのCMが6位にランクイン。妻夫木聡、吉岡里帆、成田凌、矢本悠馬、今田美桜が5人のきょうだいを演じるジャンボ宝くじCMシリーズの「ジャンボ兄ちゃん 連番といろんなバラ」編が票を集めた。妻夫木が宝くじには連番とバラがあることを解説すると、吉岡が「カピバラは?」と尋ね、2人が歯を出してカピバラの顔まねをするコミカルな描写が受け、男女とも30~50代を中心と幅広く支持を得て、「ジャンボ兄ちゃん」シリーズとして最高位を記録した。
全国都道府県および20指定都市が発売元となるジャンボ宝くじは、これまでの発売告知CMに加え、4月17日から新たにブランドCMをシリーズで放送している。キャラクターには5人の俳優を起用。妻夫木がジャンボ宝くじを愛する"ジャンボ兄ちゃん"こと長男サトシ、吉岡がピュアで優しい性格の長女リホ、成田が天然キャラの次男リョウ、矢本がお調子者の三男ユウマ、今田が今どきギャルの次女ミオの5人きょうだいにふんし、にぎやかなやりとりを繰り広げる。宝くじを買ったことがない若い世代を中心に、ジャンボ宝くじとはどういうもので、どんな楽しみ方があるかなどを伝えるのが狙いだ。
7月14日からは「ジャンボ兄ちゃん 連番といろんなバラ」編がスタート。妻夫木が「ジャンボ宝くじには番号が連続している連番と、バラバラなバラがある」と解説すると、成田「ちなみに豚バラはありますか?」、妻夫木「ギリギリないなあ」、今田「ジャバラは?」、妻夫木「ありそうだけどないなあ」、矢本「チャンバラは?」、妻夫木「ありよりのなしだなあ」といった問答が展開。吉岡が「カピバラは?」と尋ねると、妻夫木が「ない。絶対ない」と断言すると、カピバラを抱いた吉岡が歯を出してカピバラの顔まねをして「カピー」と返し、妻夫木もカピバラの顔まねで「カピー!」と応える。
宝くじの広報宣伝担当者によると、キャストの起用にあたっては、明るく元気な世界観をストレートに愛らしく表現できる演技力を期待したという。ジャンボ宝くじは、季節の風物詩として楽しまれている部分も多く、家族で楽しんでもらいたいと考えて家族の設定に。長男だけがジャンボ宝くじを知っているとすることで、会話が生まれやすくした。芝居のテンションをあえて強めにしたことで、5人の俳優が普段演じているキャラクターの中でも、あまり見たことがない芝居になっているのが見どころだ。
CM好感度の支持層は、男女とも30~50代を中心に幅広い。モニターの感想は、「カピバラの『カピー』と言いながらの吉岡里帆と妻夫木聡が面白い」など2人のやりとりが好評。「人選のバランスが良く、さわやかな印象」「とても温かいきょうだい。心がなごむ」とキャラクターへの共感も多い。「このCMを見ると買いに行きたいな! と思ってしまう」と宝くじの購入にもつながっているようだ。CM好感要因は「出演者・キャラクター」が最も多く、「ユーモラス」「ストーリー展開」「宣伝文句」と続く。
コロナ禍で人とのつながりへの共感
CM総研の関根心太郎代表は、コロナ禍で人とのつながりの大切さが再認識されている世相もCM好感度を押し上げたと指摘。「妻夫木さん演じる"ジャンボ兄ちゃん"をはじめ、個性あふれる人気俳優5人がコミカルで楽しいかけあいを繰り広げる点が、ジャンボ宝くじのCMの最大の魅力ではないでしょうか。妻夫木さん、吉岡さんのカピバラの"顔まね対決"には一度見たら忘れられないインパクトがあり、幅広い世代の支持を集めたようです。コロナ禍で人とつながることが難しい今だからこそ、5人きょうだいの楽しげで自然なやり取りが、多くの共感につながったとも考えられます」
9月14日からはハロウィンジャンボ宝くじの発売にあわせて「ジャンボ兄ちゃん 三男のアイデア」編がスタート。その先には年末ジャンボ宝くじが控えている。「ジャンボ兄ちゃん」シリーズの人気はまだまだ続きそうだ。
(日経エンタテインメント! 小川仁志)
■当月オンエアCM:全2302銘柄
■東京キー5局でオンエアされたすべてのCMを対象に、関東在住の男女モニター3000人に、好きなCM・印象に残ったCMをヒントなしに自己記述してもらい、その得票数を足し上げたもの
■同商品の複数作品にオンエア・好感反応がある場合、代表作品は最もCM好感度の高い作品
■企業・銘柄名・作品名はCM総合研究所の登録名称であり、正式名称と異なる場合がある
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