一枚の紙に無限の可能性 東大寺学園の折り紙研究部東大寺学園中学・高校(下) 教育ジャーナリスト・おおたとしまさ

別の中3の部員は、ネットで見つけた折り方をまねて作品をつくっていた。

――オリジナルの作品をつくりたいとは思いませんか?

非常に難易度の高い「忍者」は卒業生が持参してくれたもの(写真は東大寺学園折り紙研究部提供)

まだ自分で創作するほどの腕はないんです。だからいまはひたすらひとのまねをしています。でもこれをやっていればいつか自分の作品がつくれるようになることは確信しています。

つい先日開催された文化祭での展示作品の写真を見せてもらった。すべて一枚の紙を折ってつくられているという。どういうしくみでこんな形になるのか私にはさっぱり想像がつかない。少し複雑なものになると、1つの作品を完成させるのに1週間くらいかかるそうだ。

制約のなかに無限の可能性を見いだす

部員たちが「これはヤバい!」と絶賛する「ゴキブリ」(東大寺学園折り紙研究部提供)

受験勉強で忙しいはずの高3の元部長も、取材対応のためにわざわざ顔を出してくれた。

――どうして折り紙研究部に入ろうと思ったんですか?

12年に有志団体を立ち上げた先輩が、ものすごい作品をつくってしまうひとだったのですが、その弟が僕の同級生にいました。彼から、当時の折り紙同好会の会長になってくれないかと誘われて、「会長」という肩書に引かれて引き受けました。中1で学校の同好会の会長になれるなんてなかなかないことですからね(笑)。

――じゃあもともと折り紙が好きだったわけではない?

伝統の折り紙とかは触れてましたが、特別な趣味にはしていませんでした。

――では、初心者大歓迎ですよね。

はい。それを打ち出して勧誘しています。

――初心者にはどうやって指導するんですか?

まずは鶴を折らせてみて、その様子を見て、力量にあった折り紙の本を渡して、練習させます。でも今年は経験者が結構入ってきました。小学生のときに僕らの文化祭を見て、折り紙研究部に入りたいと思って入学してくれたそうです。うれしい半面、そうなると初心者にとってはハードルが高くなってしまうという問題もありました。みんながいきなり難しい作品を折っていると、ついていけなくて、嫌になっちゃうんですよね。

――他校との交流は?

18年に開成の折り紙研究部が中心となって、日本中高生折り紙連盟という団体が発足しました。個人参加者も含めると現在の加盟校は、明石高専・麻布浦和・開成・開智・川和・慶應駒東渋渋渋幕世田谷筑駒・土浦第一・東大寺・白鴎足利・洛南・早稲田などです。関東の高校には折り紙の部活や同好会が結構あるのですが、関西ではまだまだ珍しいですね。

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