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進化するノンアル飲料の悦楽 専門バーや自宅用キット

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NIKKEI STYLE

コロナ禍の外出自粛で、飲食店がテークアウトに注力し始めたり、冷凍食品の売り上げが伸びたり、食シーンに様々な変化が生じている。サプリメント販売を行うSUPALIV社が酒を飲む人を対象に行った調査によれば、外食や飲酒機会が減少したことで、飲酒代は月平均で1万4000円も減ったというデータもある。もとより、「若者のアルコール離れ」が話題になっており、また健康志向の高まりも相まって、ノンアルコール飲料市場が拡大の一途にある。

昨年「飲めない人も『もう一杯』 ノンアルに酔える本格バー」で既報した通り、ここ数年で外食でもノンアルドリンクが増加してきたが、コロナ禍以降ノンアル市場はさらに進化を遂げている。「ノンアルもあります」ではなく、ノンアル専門のバーが登場したり、家飲み需要の拡大に合わせた自宅用のノンアルドリンクのキットを販売したりと、ノンアルドリンクの楽しみ方は新たなフェーズにさしかかっている。

今年7月にオープンした「0%(ゼロパーセント)」(東京・六本木)は常設のバーとしては珍しい完全ノンアルコールバーだ。ここでは酒はもちろん、普通のソフトドリンクでさえ提供していない。趣向を凝らしたオリジナルのノンアルコールカクテルドリンクをラインアップしている。

同店を運営するThe Human Miracle(ザ・ヒューマンミラクル、東京・港)の取締役で同店プロデューサーの山本麻友美さんはもともと酒に弱く「おしゃれなバーでソフトドリンクしか選択肢がないことに物足りなさを感じていた」という。酒に比べると一般的なノンアルは味が平たんになりがちで、飲みごたえがない。そこで「ハーブやスパイスを使って、複雑な香りやクセのある味わいに仕上げ物足りなさを補いました。普段、酒を飲む方にも楽しんでいただけるよう味に奥行きを出しています」と山本さん。

例えば同店の「A Real Pleasure ゼロになる」は、ベースとなるのはヴェチパーというハーブを漬け込んだハーブウオーターで、アップルジュース、レモン、バジルなどを使い、1日かけて仕込んだドリンク。ヴェチパーはお香にも使われるハーブで、ウッディな香りが特徴だ。甘酸っぱい味わいと独特の奥深い香りを楽しめる。それを凝ったデザインのオシャレなボトルでサーブする。より高揚感や特別感を演出したいという思いからだ。

同店は90分の予約制でオープン。営業時間が朝10時~夜10時と長く、ランチの利用もあることから、コロナ禍にもかかわらず連日多くの予約があるという。妊婦や子連れの利用のほか、90分間カフェ利用のように会話に夢中になって過ごす客や、サッと1杯だけ飲んで車で帰る客もいる。こんな多様な使い方ができるのも、ノンアルバーの特徴のようだ。

「酒は飲めないけどバーには行ってみたかったという人も多く、飲める・飲めないにかかわらず同じものを飲んでおいしさを共感できる場にしたい」と山本さん。酒を飲む人に合わせるための味気ないソフトドリンクを飲む場としてではなく、ノンアルドリンクが楽しめるバーとしてノンアル派が中心になって積極的に利用しそうだ。

次は、自宅でノンアルコールカクテルを楽しめるキットを紹介しよう。今年3月に日本橋にオープンした低アルコール&ノンアルコールバー「Low-Non-Bar(ロー・ノン・バー)」は、同店で人気商品である鮮やかな赤色のモクテル(mock=疑似とcocktail=カクテルを合わせた造語でノンアルコールカクテルのこと)を7月から自宅用キットとして販売。これらは同店のオンラインショップで購入することができる。

「もともと酒が苦手でバーに入ったことがなかったお客様の利用が多かったのですが、外食がしづらい今、自宅でもぜひ本格的なモクテルを楽しんでもらいたい思い、販売に踏み切りました」とカクテルワークス(東京・中央)代表の宮沢英治さんは説明する。

パッキングされたドリンクは1パックで2杯分(250ミリリットル)。パックごと冷やし、付属のドライオレンジとローズマリーを好みで入れ、ストローを差すだけで手軽に本格的なモクテルを味わえる。店で提供しているレシピと全く同じだ。

ベースはグレープフルーツジュースで、ミックスベリー(イチゴ・ラズベリー・ブルーベリー)やパプリカなどを加えて撹拌(かくはん)して作る。最後に「/shrb(シュラブ)」という炭酸の入ったノンアルドリンクで割っている。トロリとした滑らかな舌触りとラズベリーのプチプチ感も楽しい。

「/shrb」とは2017年にイギリスで発売されたノンアルドリンクのことで、アップルビネガーをベースにハーブ、スパイスなどで風味づけをした炭酸飲料のこと。これでノンアルドリンクを割ることにより立体的な味を作り出した。

「海外では多くの高品質ノンアルドリンクが出回っていますが、日本ではほとんど見られません。ボタニカルな素材を使った複雑な味わいを感じられるノンアルドリンクを目指したい。パブリックシーンだけでなく、自宅でのプライベートなリラックスタイムの1つの選択肢になれるはず」(宮沢さん)。リモート飲みやアウトドアでの利用など多様なスタイルに対応できそうだ。

"料理にペアリングするためのノンアルドリンク"というコンセプトで作られたのが食中ノンアルドリンク「THE MID(ザ ミッド)」だ。以前から先進的なレストランでは料理に合わせたノンアルドリンクをペアリングすることはあったが、こちらは家庭用。外食が利用できない状況において、自宅での食事とペアリングするノンアルドリンクとして設計された。同商品には赤と白の2種があり、見た目はワインのような雰囲気。肉料理や濃い味付けに合う赤の「CHAOS GRAPE」、魚料理や淡泊な味わいに合わせる白の「OVER THE GINGER」。現在はクラウドファンディングで提供しているが(10月11日18時まで)、今後販路を拡大する予定だ。

同商品の開発製造を手がけるYOILABO(ヨイラボ・福岡市)代表取締役の播磨直希さんは、「ノンアルにありがちな物足りなさを感じさせないよう、味の複雑さや立体感を出すために味を調節しました」と話す。ハーブやスパイス、茶葉などの素材を使いながら、素材ごとに抽出方法や温度を変えるなどして味の深みを出した。

「飲める人と飲めない人がいて、食事に行っても遠慮したりされたりという気遣いに疲れた」という播磨さんは、ワインのように食事を引き立て、何杯でも飲めるノンアルドリンクを開発した。

試飲してみると、白ドリンク「OVER THE GINGER」はショウガの香りが強いわりに辛味は不思議と感じられず、甘みの中に爽快さを感じた。甘い華やいだ香りで気分が上がる飲み心地だ。ジャスミン茶をベースにショウガを合わせており、シナモンなどもプラスして作っているという。

赤の飲み口は甘酸っぱくフルーティーで、さらに酸味とほのかな渋みが感じられる。味に深みがあり飲みごたえもあるので肉料理などに合いそうだ。ワインの原料にもなる黒ブドウの果汁と紅茶をベースに、黒コショウやサンショウ、カシスなどで重厚感のある香りを出したという。

食事とともに飲むことを前提とした味設計のため、いずれもドリンク単品で飲むと少々個性的な味だが、食事と合わせるとおいしく飲め、特に個人的には、ローストビーフと赤ドリンクは肉のコクがよりおいしく感じた。ドリンクが食事にマッチする味であるかどうかは、酒でなくとも、食事を楽しむ上で重要だと実感できた。

同社では複数の茶をベースにした、レストラン向けの食中ノンアルドリンク「Pairing Tea(ペアリング ティー)」も販売している。「食事に仕方なくソフトドリンクを合わせてきた人たちの、新しい選択肢になる」と播磨さんは話す。

人々が飲食店で集まる機会が減ってきた一方、飲み物や飲み方は多様な広がりを見せている。個性豊かなおいしいノンアルコールドリンクも、確実にその選択肢の一つとなりそうだ。

※価格は特記がない限り税別

(フードライター 古滝直実)

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