理想の会社どう実現 社員の「よりよく生きる」後押し強い組織のマネジメント術(5) A.T.カーニー日本代表 関灘茂氏

すべての従業員が働きがいや生きがいを感じられるにはどうしたらいいか(写真はイメージ=PIXTA)
すべての従業員が働きがいや生きがいを感じられるにはどうしたらいいか(写真はイメージ=PIXTA)

世界水準の人材・組織を生み出すには、個々人がどのような発想で働き、マネジメントすることが必要か。関灘茂氏は外資系コンサルティングファーム、A.T.カーニーに新卒で入社し、38歳で日本オフィスの代表に就任。関灘氏が取り組んできた、A.T.カーニーを「最も信頼され評価される組織」にするための改革とはどのようなものなのか。5回目は全ての従業員が「より良く生きる」ことが実現できる会社に、という関灘氏の目標を紹介します。

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A.T.カーニーに入社して丸3年がたった2006年、社内で「People Project」が立ち上げられ、私も関与する機会がありました。プロジェクトでの主たる論点は「Client First(顧客第一主義)を重視し続けることは大前提として、高い志を持つPeople(コンサルタント)を生み出し続け、いかに成長を組織的にサポートできるか?」というものでした。

3つのタスクフォースが組成され、コンサルタントへのインタビュー、パートナー(当時はヴァイス・プレジデントという役職の経営メンバー)とのディスカッションなどを通じて、30以上のPeopleに関する施策が策定され、各施策の責任者となる各パートナーへの割り振り、施策の実行状況のモニタリング、結果としてのコンサルタントの意識変化のモニタリングがなされました。

そうした取り組みの結果、「毎週のプロジェクト公募・希望制度の導入」、「トレーニングプログラムの拡充」、「Upward Feedback(マネージャー以上の役職者であるリーダーに対する、メンバーによる評価)の徹底とその結果の昇進可否への反映」などが進み、People Projectの前後でコンサルタント自身の成長したという実感や自律感(自分の規範で行動できるという感覚)などが改善したのはもちろん、人材に対する価値観が大きく進化しました。

それから10年超を経て、「働く人の満足度が高い企業ベスト30」という外部組織による記事(20年2月発表)でA.T.カーニーが1位として紹介されていました。

「待遇面の満足度」「社員の士気」「風通しの良さ」「社員の相互尊重」「20代成長環境」「人材の長期育成」「法令順守意識」「人事評価の適正感」の8項目に関する社員の口コミに基づく総合評価ランキングとのことで、思いがけないうれしいニュースでした。

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