新型コロナウィルス対策で、国や東京都などからテレワーク助成金が出るなど、リモートワークが推進されている。そこで旅先で働くワーケーション(ワークとバケーションを組み合わせた造語)にも注目が集まる。自宅やシェアオフィスで仕事をするのと何がどう違うのか、受け皿となる滞在先はーー。ワーケーションの実例をいくつか報告しよう。

江ノ島電鉄の長谷駅(神奈川県鎌倉市)から歩いて5分、海を望む「Villa Kamakura」は、各室にキッチンや浴室を備え、宿泊予約サイトやAirbnbでブッキングができる。長谷寺や鎌倉大仏といった観光地も近く、短期・長期両方の滞在ニーズに応える。
長期滞在で利用するNさんは、コロナで急きょ、海外赴任から帰国。しばらくは在宅勤務を続けたが、仕事に集中できるスペースがなく、テレワーク出来る場所を探し、見つけた先がVilla Kamakuraだった。

探す際の条件は自炊生活ができ、Wifi 完備など仕事もしやすい物件。かねて住みたいと思っていた鎌倉周辺で、最初はウィークリー賃貸を探したが、これといった物件がなく、Airbnbで長期滞在に割引が効く先を探した。
Villa Kamakuraにはキッチンに什器(じゅうき)もあり、洗濯乾燥機や掃除用具もそろっている。生活する上で不便はない。また1階に、平日はワーケーションや企業研修、週末はマリンクラブとなるスペースKAMA- CROWDがある点も気に入った(利用料金は別)。朝は海辺を散歩し、午前9時半から仕事タイム。仕事中、一人だと煮詰まることもあるが、シェアワークを利用する人との交流が息抜きになっている。

週末はウィンドサーフィンなどを楽しむことも。地元ならではのお店に連れていってもらうなど、地域の人たちとの出会いも楽しんでいる。勤務先からテレワーク推進の方針が出され、ワーケーションに踏み切り、新たな生活スタイルを見いだしたNさん。長期に限らず短期でのワーケーションもオススメと言う。