維持費3割減も 働きやすいスモールオフィスの選び方日総ビルディング・大西紀男社長に聞く

スモールオフィス、物件選びのポイントは(画像はイメージ)=PIXTA
スモールオフィス、物件選びのポイントは(画像はイメージ)=PIXTA

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ「新常態」の働き方として、テレワーク勤務はすっかり定着した。社員の半数以上を在宅勤務としたり、通勤手当を廃止したりする大手企業の試みも相次いでいる。維持費のかさむ広い本社オフィスは消え去っていくのかもしれない。日総ビルディング(東京・千代田)は、都心と横浜中心部で床面積30~100平方メートルタイプを中心に事業展開する「スモールオフィス」の先駆け的な存在だ。スモールオフィスは働き方の効率化とともにコストを抑えられることから、スタートアップや中小企業に向くとされる。大西紀男社長にウィズコロナ時代のオフィス戦略を聞いた。

――在宅勤務の経験を通じて、オフィスへの意識が大きく変わりつつあります。富士通が2023年3月までにオフィス床を半減させるなどの動きも出てきました。

日総ビルディングの大西紀男社長

「好きな時、好きな場所で自由に働きたいという意識が高まっています。ビジネス街のオフィス需要は今後2、3年で15~25%減少すると予想します。他方、日本の狭い住宅事情では、1日中在宅は難しい。やはり本社オフィスは必要ということも再認識されました」

「今後は首都圏では自由が丘や目黒、武蔵小杉、船橋など、住宅地に隣接するターミナル駅前のオフィスニーズが高まります。自宅から徒歩や公共交通機関、自動車で15~30分程度で通勤できる場所のイメージです。(1)本社(2)在宅(3)サテライトオフィス――を行き来するのが、新しい働き方になるでしょう」

――地方に住んでいてもテレワーク勤務は可能となり、ビジネスパーソンの選択肢も広がります。

「東京都は6月に、一時的ですが人口が減少しました。いずれ新幹線で1時間以内のサテライトオフィスの需要が生まれてくるでしょうが、一直線では難しいですね。住み心地が良い街とは(1)にぎわい(2)コミュニティー(3)子供の教育機関――といったテーマを満たしている都市です。特に教育問題の比重は大きく、現状ではなかなか東京から離れにくいでしょう」

鉄道などアクセス重視で

――一般の賃貸ビルと比較してスモールオフィスのメリットは費用が抑えられることですね。

「東京都心の恵比寿駅から徒歩5分の中型ビルに入居し、社員30人、本社オフィス100坪(約330平方メートル)の会社が移転すると仮定します。現在の相場は共益費や水道光熱費を合わせて1坪あたり約2万5000円でしょうか。月額250万、年3000万円になります。これを本社勤務10人・サテライトオフィス20人の態勢に移行させると、概算で月額160万、年1920万円程度にまで抑えられます。約3割、少ない金額です」

「スモールオフィスは引っ越す時間と手間が省ける点も大きいメリットです。椅子や端末機器などはレンタルで用意できます。事業が軌道に乗ればより広い専有室に移ればよいし、退去する際の原状回復のための費用も不要です。変化に強く柔軟性に富んでいるのが特徴です」

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