■ETRO(エトロ)
柄モチーフに、配色の妙に、エトロマジックが炸裂する

人呼んで色柄の魔術師、エトロより登場したウエストポーチは、ブラウンやオレンジといった暖色を組み合わせた迷彩柄。総柄にして落ち着きのある、心地よい温かみを感じさせるデザインである。なお、よく見るとその柄はペガサスがモチーフ。エトロというとペイズリーの印象が強いが、シンボルはペガサスであり、これを迷彩にしたというわけだ。天を駆ける馬が描かれているだなんて、なんだか縁起もよさそうではないか! さておき、大胆な柄を品よく昇華する手腕はさすがである。縦20×横38×マチ9cm。 8万3000円(エトロ ジャパン)
■GIORGIO ARMANI(ジョルジオ アルマーニ)
レザーの趣ある陰影が、カジュアルを格上げする

デコンストラクション=構造物の解体によって、男性を堅苦しい衣服から解放した立役者であるジョルジオ アルマーニ。リラクゼーションの中に美しさを見出すその感性は、カバンにまで息づいているようだ。ミリタリーのそれを彷彿させる3連のアウトポケットが付いた本作は、素材に上質なナッパレザーを使用。ボリューミィなフォルムが革のしなやかさを際立たせ、趣のある陰影を生み出している。まさしく、ラグジュアリーにしてカジュアルな魅力に溢れるカバンである。縦61×横52×マチ31cm。 61万円(ジョルジオ アルマーニ ジャパン)
■HERMES(エルメス)
まったく新しい機構をミニマルなデザインに凝縮

畳んでクラッチのように手持ちすることもできれば、肩掛けやたすき掛けの持ち方にも対応する。エルメスが未来のモビリティという発想から生み出したボディ&ストラップ一体型のマルチウェイバッグが、「セカンド・サイド」である。革は美しいシボが並ぶヴォー・トーゴ。極めて薄いマチと革の柔らかさが相まって、肩に掛けると吸い付くように体へ馴染む。かつてない機構のそのカバンはまた、端正にしてほんのり遊びが滲む表情も魅力。街行く人へも、新鮮な驚きを与えるに違いない。縦64×横20×マチ0.5cm。 55万7000円(エルメスジャポン)
※表示価格は税抜きです。
撮影=黒沼 論(aosora)〈人物〉、若林武志〈静物〉、武蔵俊介〈静物〉 スタイリング=四方章敬 iconic ヘアメイク=馬場拓也(Sept.) 構成・文=小曽根広光 文=吉田 巌(十万馬力)、伊藤美鈴、秦 大輔、間中美希子、山田純貴 撮影協力=yl&Co. Hotel in Mt.Fuji, BMW
[MEN’S EX 2020年9月号の記事を再構成]

THE NIKKEI MAGAZINE 4月誕生!
Men's Fashionはこの4月、あらゆるビジネスパーソンに上質なライフスタイルを提案するメディア「THE NIKKEI MAGAZINE」に生まれ変わります。限定イベントなどを提供する会員組織「THE NIKKEI MAGAZINE CLUB」も発足します。先行登録はこちら