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1階入り口のメインの平台に3列並べて平積みする(八重洲ブックセンター本店)

1階入り口のメインの平台に3列並べて平積みする(八重洲ブックセンター本店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測している八重洲ブックセンター本店だ。ビジネス書の売れ行きは実務書に限れば例年の水準に戻ってきたが、ビジネススキルや自己啓発などの一般的なビジネス書では目立った売れ筋が出てこない状況だという。そんな中、書店員が注目するのは、ニトリ創業者が「働く」ことをめぐって自らの考えを述べた一冊だった。

社員の体験談も収録

その本は似鳥昭雄『ニトリの働き方』(大和書房)。著者は言わずと知れた家具大手ニトリの創業者で、今もニトリホールディングス会長兼最高経営責任者(CEO)として同社を率いる。同氏が大切にしている働き方についての考えを33の短い言葉に落とし込み、その言葉の本人による解説と社員の体験談を加えて4章構成でまとめたのが本書だ。読み進めるとニトリの社内報をまとめて読んでいるような気になる本だが、新型コロナウイルスの感染拡大下にあっても好業績を続ける同社の強さの秘密を内側から語る内容が読者をひき付ける。

「はじめに」の中で似鳥氏は書く。「企業に大事なのはやはり『人』なのです」。「社会をより良くしようとする崇高なロマン(志)と、普通のことをしていたら到底達成できない高いビジョン(目標)を掲げ、ひた向きにそれに向かっていく」。そのためにはニトリで働く誰もが「自分自身とニトリ」を進化させ続ける人材に育っていかねばならず、そのために大切にしているのがチェンジ、チャレンジ、コンペティション、コミュニケーションの4つのCだという。

働き方の中核、観分判とは

33の言葉はこの4Cそれぞれに分けられて、4つの章で紹介されていく。第1章は「チェンジ」。「現状を否定するところから仕事は始まる」「『観察・分析・判断』をする力を磨き上げる」といった言葉が並ぶ。この「観察・分析・判断」は観分判と略されて社内で頻繁に使われる言葉だという。収録された社員たちの体験談からは、この観分判の繰り返しで仕事の質を高めていく様子が伝わってくる。

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