なぜジョブ型なのか

ニューノーマルが広がる中でなぜジョブ型の人事が採用されだしているのでしょう。

それは、メンバーシップ型のメリットだった「会社都合にあわせた働き方」が、組織の成果につながりにくくなっているからです。

メンバーシップ型の前提は「同じ場所」で「同じ時間」に働くことでした。しかしニューノーマルでは密を避けるため、「それぞれの場所」で「それぞれの時間」に働くことが求められています。

同じ場所に同じ時間にいればごく自然にとれていたコミュニケーションも、あえて予定しなければすぐにはとれなくなります。またちょっと手が空いたから手伝ってもらうこともできません。

会社によっては「それぞれの場所」でも「同じ時間」に働くことで対応しようとする場合もあります。監視的なツールを導入したり、常にコミュニケーションをとれるようにカメラとマイクをつなぎっぱなしにすることを求めたりする場合もあります。

けれどもそうしたところでやはり「それぞれの場所」を前提として「会社都合にあわせた働き方」を推し進めることが難しくなっているのです。

そこでそもそも何を求めて働いてもらっているのか、ということを示した方がごく自然だろう、ということに気づいた人たちが、日本以外ではあたりまえのジョブ型の働き方を取り入れることを考えはじめました。

同じ場所、同じ時間に働いていないので、何をどのように進めているのかがわからない。だからどのような結果を期待しているのかをはっきり示したほうが効率的だし成長もしやすい、ということに気づいたのです。それが多くの会社がメンバーシップ型からジョブ型に移行し始めているきっかっけです。

とはいえ、もしあなたの会社がニューノーマルの時代になっても「同じ場所」「同じ時間」を求め続けるのであれば、ジョブ型には移行しないでしょう。

ただ、たとえば週に2日は出勤して同じ場所、同じ時間で働くけれど、あと3日はそれぞれ自由だ、とする働き方は増えていきます。そのような変化をうまく取り入れるためにはやはり「それぞれが成果を出す働き方」を取り入れざるを得ません。

業界にもよりますが、これから3年以内に大きく変化が進むと予想されます。

もしあなたの会社がジョブ型に移行するようであれば、それに先んじて、日々の仕事でどんな成果を求められているのかを自ら示していきましょう。そして自慢の会社の一員であることを誇るのではなく、どんな成果を出してきたのかを誇るようにしましょう。

そうすればジョブ型に移行した働き方の中でも、確実に出世してゆけるはずです。

平康慶浩
セレクションアンドバリエーション代表取締役、人事コンサルタント。1969年大阪生まれ。早稲田大学大学院ファイナンス研究科MBA取得。アクセンチュア、日本総合研究所をへて、2012年から現職。大企業から中小企業まで130社以上の人事評価制度改革に携わる。高度人材養成機構理事リーダーシップ開発センター長。

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