左は「レモンザムライの今月のレモンサワー」、右はレモンの皮を漬け込んだ焼酎を用いた果肉感のある「にごりレモンサワー」。いずれも税別600円。ドリンクのラインアップには自然派ワインも。写真提供:ニショク

レモンサワーは、国産レモンの広報活動を行う「レモンザムライ」こと鈴木慶洋さんとのコラボレーションによるメニュー「レモンザムライの今月のレモンサワー」をラインアップ。

使用するのは香りが良く、完熟すると糖度が10~11度にもなる広島県尾道市瀬戸田町産の「瀬戸田レモン」のペーストだ。9月は鈴木さんが手掛けるこの完熟レモンのペーストに、樽貯蔵した奄美大島の黒糖焼酎「まんこい」を合わせた。これらに強炭酸ソーダを注いだ後、そっとクランベリージュースを加え、黄色と赤の2層に分かれた華やかなレモンサワーにする。使用する酒は毎月変更するという。

「10月からは、生の瀬戸田レモンが手に入るので、2分の1個ぐらいごっそり使ったレモンサワーもメニューに加えたいと思っています」と渡部さん。ちなみに、こうしたレモンサワーに入れる氷は、ウイスキーのオン・ザ・ロックに使われるような大ぶりの立方体。最後までおいしく飲めるようにと、製氷したものをさらに一晩冷凍庫で寝かせ、溶けにくくしている。

定番の居酒屋料理にも工夫が。「さっぱり冷やしトマト」(400円・税別)

「気楽に来ていただけるように、メニューはこだわりすぎないようにしている」と渡部さんは言うが、氷のような「ちょっとした違い」が、ニショクのメニューにはそこここに垣間見られる。例えば、つまみには「さっぱり冷やしトマト」といった居酒屋の大定番メニューもあるが、くし切りのトマトには、赤タマネギやオオバがトッピングされ、トマトの風味を引き立てる。

また、逸品料理に並ぶ「レア! レバニラ」は、揚げたレバーにニラのソースをかけたもので、一品ごとの「ちょっとした驚き」が、同店の楽しさにつながっている。

ニショク店内。写真左側手前の広いカウンターは立ち飲み席。2階にはテーブル席がある。写真提供:ニショク

店頭にはゆったりとした立ち飲みスペースもあり、立ち飲みならドリンクは通常価格から200円引き。営業は15時からで、「コーヒーの代わりに、軽く一杯飲んでいただいても」と渡部さん。コロナ禍で飲食店には厳しい状況が続くが、この時代だからこそ生まれた新しい店を存分に楽しみたい。

(ライター メレンダ千春)

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