キヤノンEOS R6 レフ機卒業誘うフルサイズミラーレス
キヤノンからフルサイズミラーレス一眼カメラ「EOS R6」が8月末に登場した。スタンダードモデルながら、高画素のハイエンド兄弟機「EOS R5」に比肩するほどの性能を持ち、前モデルの弱点を一掃したキヤノンらしい「売れる」カメラに仕上がっていた。
「EOS R6」はオールマイティーに撮影が楽しめるカメラだ。以前に発売されたモデル「EOS R」「EOS RP」の存在がなかったかのようにググッと進化している。画素数はライバルより低い有効画素数約2010万画素のCMOSセンサーとなるが、このセンサーは同社の一眼レフフラッグシップ機「EOS-1D X Mark III」のセンサーの性能を少し落としたもの。静止画の常用ISO感度は最高10万2400(102400)、電子シャッター使用時最高約20コマ/秒、メカシャッター/電子先幕使用時は最高約12コマ/秒の高速連写、オートフォーカス(AF)が「デュアルピクセルCMOS AF II」とスペックがものすごい。描写性能も映像エンジン「DIGIC X」と相まって低感度から高感度までクリーンな絵を提供してくれる。
進化したAF「デュアルピクセルCMOS AF II」がなかなか優秀だ。フォーカスエリアをほぼフレームいっぱいに広げ、速度と正確性が大幅に向上した。マルチコントローラーで旧機種の使い勝手を「復活」させたことも評価できる。直感的な操作が再びできるようになった。
フォーカスにおいて、動物(ネコ、イヌ、鳥)の瞳と顔、全身の検出が可能になったのもニュースだ。ペットや野鳥の撮影でもピント合わせはカメラ任せでシャッターチャンスに集中できるのが楽チンである。
「EOS R6」はボディー内手ぶれ補正機能をEOSとして初めて搭載した。5軸対応のそれはレンズ内光学手ぶれ補正機能との協調制御で、RFレンズ使用時に最大約8段もの補正効果を発揮する。「RF24-105mm F4 L IS USM」を装着して実際に夜の街を手持ちで撮影したが、明るい都市部なら三脚の出番がなくなるほどの、ぶれのない写りを見せてくれた。
使い勝手もEOSらしさにあふれている。電子ビューファインダー(EVF)は、有効画素数約369万ドットの有機ELパネルを搭載。約162万ドット3.0型液晶モニターは、上下左右に角度を変えられる「バリアングル方式」を採用し、ローアングルからムービー撮影まで楽なポジションでシャッターを切れるようになっている。SDカードスロットは、転送速度が高速な「UHS-II規格」対応のデュアル仕様。さらに防塵(ぼうじん)防滴構造と、スキのないカメラに仕上がっている。
操作性もメイン電子ダイヤルと2つのサブ電子ダイヤル、マルチコントローラーとで、EOSシリーズを使っていたフォトグラファーならすんなりと移行できるはずだ。この「EOS R6」でシャッターを切れば、一眼レフEOSから卒業したくなる気持ちが沸々と湧いてくることだろう。それくらい完成されたカメラになっている。
次ページ以降で作例を紹介する。
iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影している。2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。http://sasurau.com/
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