スクワットに青竹踏み 簡単体操が尿漏れ・頻尿に効果ひそかな悩み尿トラブル(中)

日経ヘルス

2020/9/28
写真はイメージ=PIXTA
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多くの女性がひそかに悩む尿トラブル。前回「尿漏れはなぜ起きる? 女性ホルモン低下もリスクに」で触れたように、6割の女性が尿漏れを経験との調査結果があります。今回は、すぐできるセルフケア法として、骨盤底筋体操、スクワット、青竹踏みを紹介します。

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尿漏れ対策として、まず始めたいのが膀胱や尿道などの臓器を下から支えている骨盤底筋を鍛えるトレーニング。腹圧性尿失禁だけでなく、切迫性、混合性にも効果がある。米国では近年、尿漏れ改善を目的にスクワットを行う人も増えているという。「スクワットは、骨盤底筋も含めた下半身全体の筋肉を鍛えてくれる」(神奈川歯科大学の奥井伸雄教授)。これらのトレーニングは筋肉を強化すると同時に、膀胱まわりの血流もよくするという。「尿トラブルの原因には血流悪化もあるので、筋トレは一石二鳥」と奥井教授は話す。

排尿障害、便秘、冷えのある男女22人(27~90歳)が対象。1回2分の青竹踏みを1日2回、1カ月間続けた結果、昼間と夜間を含めた1日の平均排尿回数が10.9回から9.8回に減った。全体の尿量に変化はなかった。(データ:BMC Complementary and Alternative Medicine;16,513,2016、グラフ:増田真一)

信州大学医学部泌尿器科の皆川倫範講師の研究では、青竹踏みによる頻尿の改善効果も明らかになっている。尿トラブルに悩む人に1回2分の青竹踏みを毎日2回、1カ月続けてもらった結果、全体の尿量は変わらないまま排尿回数が減った。膀胱により多くの尿をためられるようになったわけだ。冷えと便秘も同時に改善したという。

(図:三弓素青)

「末梢神経を介した内臓の相互調節機構を研究していたとき、たまたま銭湯で足ツボ図を見た。土踏まずには膀胱と直腸のツボがある。青竹踏みによる足裏からの刺激が神経を介して膀胱などの臓器を活性化させるのではないかと考えている。血流もよくなる」と皆川講師は解説する。

青竹はイボイボのついたプラスチック製より天然竹がよいそうだ。「点の刺激は痛みを感じやすいが、天然竹なら程よい面の刺激を得られる」と皆川講師は話す。

また冷えるとトイレが近くなるので、体を温めることも重要。体を冷やさないようにしよう。

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骨盤底筋体操にスクワット、温活も尿トラブルに有効

尿漏れ対策には、骨盤底筋や下半身の強化を図るのがいい。骨盤底筋体操とスクワットで、緩くなった骨盤底筋と下半身全体の筋肉を鍛えよう。血流もよくなる。

(1)“締める”筋肉を強化する「骨盤底筋体操」

(イラスト:進藤やす子)

肛門と腟を締めると、尿道まわりの筋肉も自動的に鍛えられる。内臓を体の中心に持ち上げる意識でやってみよう。椅子に座ったり、立ったりした状態で行ってもOK。毎日数回、まずは3カ月間続けよう。

【やり方】あおむけに寝て膝を立て、お尻を持ち上げて体をまっすぐに。この状態で肛門と腟を締めながらキープ。5秒数えたらお尻を下ろして全身の力を抜く。これを5~10回繰り返す。

(2)下半身の“支える力”を強化する「スクワット」

(イラスト:進藤やす子)

「骨盤底筋が緩んでいる人は、下半身全体の筋肉も弱い傾向がある」と奥井教授は説明する。骨盤底筋を含めた下半身全体の筋トレには、スクワットが効果的。膣や膀胱が落ちてくる骨盤臓器脱にも有効という。自分のペースで毎日続けよう。

【やり方】足を肩幅に開き、背すじを伸ばしたままゆっくり腰を落としてキープ。10秒数えたら元の姿勢に。ひざがつま先より前に出ないよう気をつけて。これを5~10回繰り返す。

次に、頻尿対策には体を温めることが効果的。冷えると膀胱まわりの筋肉が収縮し、尿意を感じやすくなる。次の3つの方法にトライしてみよう!

(イラスト:進藤やす子)

(1)丹田温め

「膀胱の収縮性をよくするには、丹田を温めるのがいい」と奥井教授。丹田はへそから指3本ほど下の場所。ここを小型の湯たんぽやカイロで温めよう。低温やけどに気をつけて。

(2)寝る前入浴

ベッドに入る2~3時間くらい前にお風呂に入り、しっかり体を温めてから寝るようにしよう。湯船の中で足先やふくらはぎをマッサージするのもお薦め。血流がよくなる。

(3)寝る前の室温をUP

就寝前の室温を上げると夜中にトイレに起きる回数が減ることが、産業医科大学などの研究で明らかに。カギは寝る1~2時間前。今よりも室温を上げて、温かく過ごしてみよう。

奥井伸雄さん
神奈川歯科大学教授/よこすか女性泌尿器科・泌尿器科クリニック(神奈川県横須賀市)院長。東京大学大学院修了。米国ハーバード大学臨床留学などを経て、よこすか女性泌尿器科・泌尿器科クリニックを開設。毎年、約1000件の尿失禁手術を行う。
皆川倫範さん
信州大学医学部泌尿器科講師。2002年、信州大学医学部卒業。ベルギー・アントワープ大学留学などを経て2015年から現職。排尿障害、泌尿器科がんなどの研究・診療に当たる。日本泌尿器科学会泌尿器科指導医。

(ライター 佐田節子、構成 堀田恵美)

[日経ヘルス2020年4月号の記事を再構成]

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