ポルシェ718ケイマンGT4 新型6気筒のサウンド響かせ

2020/10/18
自然吸気4リッター水平対向6気筒の新開発エンジンを搭載したポルシェ718ケイマンGT4を試乗した(写真:花村英典、以下同)
自然吸気4リッター水平対向6気筒の新開発エンジンを搭載したポルシェ718ケイマンGT4を試乗した(写真:花村英典、以下同)
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「ポルシェ718ケイマン」に追加設定されたハードコアモデル「GT4」に試乗。車名の由来ともなった水平対向4気筒ターボから、新開発の自然吸気フラット6へとエンジンが置き換えられた、高性能ミドシップマシンのパフォーマンスやいかに。

明確なヒエラルキー

最もサーキットに近いミドシップポルシェ――。バイザッハの研究所に籍を置くモータースポーツ部門が開発に携わり、専用パワーユニットとやはり専用のチューニングが施されたサスペンション、そしていかにもコンペティティブなデザインのボディーキットなどが与えられたGT4を名乗るケイマンのキャラクターは、ひとことで表せばそんなフレーズで紹介したくなるものだ。

先代981型において2015年に登場したGT4に続き、同ネーミングを採用するハードコアなケイマンは、これが2代目。ベースモデルのリファインに合わせ、正式には718ケイマンGT4と呼ばれることになった最新のバージョンで、まずは何といっても注目に値するのが新たに開発されたエンジンの搭載だ。

ボア×ストロークや排気量が同一値であることから、当初その心臓は「911 GT3」用のフラット6をディチューンしたものとも予想された。しかし、新しいGT4用の心臓は、ターボ化された「911カレラ」(991型後期以降)用をあらためて自然吸気化の上、排気量アップを図ったという出自を持つ、完全なる新開発ユニットであったのだ。

前出981型GT4に搭載された当時の「911カレラS」(991型前期)用がベースであった3.8リッターユニットのデータと比較すると、意外なことに排気量がアップされたにもかかわらず、420N・mの最大トルク値は不変。一方で、その発生回転ゾーンは明らかに上方へと移動し、高回転型の傾向を一層強めたことがうかがえる。

実際、420PSという最高出力は35PSの上乗せ。こちらも、発生ポイントが200rpm上に移動して7600rpmになると同時に、911 GT3の心臓が発する最高出力500PS/最大トルク460N・mとは明確にスペックに差がつけられている。下手をすれば“下克上”とも受け取られかねないケイマンと911の立ち位置にあらためて明確なヒエラルキーを示したことも、いかにもマーケティング戦略にたけたポルシェのやり方らしく興味深い。

「ポルシェ718ケイマンGT4」は、最高出力420PSを発生する自然吸気の4リッター水平対向6気筒エンジンに、6段MTを組み合わせた高性能モデル。2019年6月に本国で発表された

成功か失敗か

もっとも、718ケイマンでありながら6気筒エンジンを搭載することが“規格外”であることは事実。「4気筒ユニットを搭載するからこそ、往年の4気筒レーシングマシンである『718』の名称を拝借できたのでは?」と突っ込まれると、そんな形容矛盾には少々頭の痛いのがこのモデルかもしれない。

加えれば、役付きではなくカタログモデルの「GTS 4.0」にまで6気筒の自然吸気ユニットが使われ、さらに2ペダルトランスミッション「PDK」との組み合わせも実現すると公表された現在では、「CO2排出量の低減を理由に4気筒化が決断されたのではなかったのか?」と、そんな疑念の声も出てきそうだ。

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