2020/9/25

徹底したリモート体制が「駐妻経営者」を後押し

――Warisは創業当初からリモートワークを推進していたんですよね。リモートでスムーズに仕事ができる環境が整っていたことも「駐妻経営者」誕生を後押ししたのでしょうか。

そうですね。Warisは創業当初から「ハイブリッド経営」ということで、リアルとオンラインの双方のよさを取って組織運営していました。もともと毎日出社の義務はなく、全員出社はキックオフミーティングの時のみです。いつでもどこでも働ける環境が以前から整っていたのがよかったです。

――実際にリモートでのお仕事はどのようにされているのですか? 大体のタイムスケジュールを教えてください。

朝5時半に起きて、走り出すための準備時間にしています。具体的にはスケジュール確認や、ニュースサイトとSNS等で情報収集、スケジュールをシッターさんに伝える準備をします。7時45分に子どもたちを送り出し、8時~15時(日本時間の10時~17時)までは日本からの会議がちょこちょこ入ります。15時~17時半までは自分の作業時間です。家でも仕事はできますが、ちょっとざわついていたほうがはかどるので、コワーキングスペースで仕事をすることが多いです。18時には仕事を終え、それ以降は家族との時間です。土日はお休みをしっかりとるようにしています。

リモートワークは「よもやま話」がカギ

――新型コロナウイルスの影響でリモートで仕事をする人が増えています。リモートワークで心がけていることはありますか?

お互いの発言の背景を知ることがリモートワークでは大切ですよね。メールや会議での発言がとげとげしく感じたとしても、相手には悪気が全くなかったり、批判ではなくて応援の気持ちだったりします。そういう人だと事前にわかっていればいいのですが、リモートだと、会議ごとに議題だけを話すことになって「余白」のコミュニケーションがありません。

「ちょっと思いついたアイデアがあるんですけど」「ここがもやっとしている」といった雑談やよもやま話の中で組織改善のヒントやビジネスの種がみつかることが多いので、社内では職種や階層を超えた「よもやま会」という雑談ミーティングをしています。「最近どう?」と雑談をして、いろいろな気持ちを吐き出す場です。社員からも気軽に「よもやまお願いします!」といった感じで設定してもらったり、「よもやましない?」と私から声をかけたりします。

他には、アイスブレークを大切にしています。いきなり議題に入らないで、例えば相手のSNSやメールのやりとりからわかる共通の話題を探したりもしています。

副業もシンプルに「好き」を追求

――「余白」がないと思考の幅が広がらない。共感します! この連載の「公私混同力」も余白を持つことでクリエーティブなアイデアが浮かぶことを伝えたいと思っています。ところで御社は副業も歓迎していると聞きました。副業と会社の仕事をうまく両立させるにはコツがありますか? 仕事も副業も楽しんでいる社員の方の例を教えてください。

はい、副業OKなので、空いた時間や週末に副業をする社員も多くいます。ショップ運営や講演会活動をしていたり、広報業務をしていたりするメンバーもいます。

シンプルに自分がやりたいことを追っているのが共通点ですね。仕事と副業で楽しく人生を生きている人は、そもそも「この能力が相乗効果を生みそう」という気持ちで動いていないと思います。会社に相乗効果があるかを考え始めると、時間配分などで行き詰まります。でもシンプルにやりたいことなら、てんびんにかけてどちらかを削る、という思考にはならず、相乗効果が出ると思います。

「好き」からでてくるエネルギーやアウトプットはすばらしいです。ここからは仕事、ここからはプライベート、ここからは副業、といちいち線引きすると止まってしまうので、「やってみたい」というものがあったら、一度テーブルに全部あげることが大切だと思います。会社には一見役立たないと思う「好き」でも、経営者の見えている範囲と今の自分の範囲が違う場合もあるので、どこかで重なって事業につながるかもしれないですよ。

ベトナムで学んだ「先のことを考えすぎない」大切さ

――米倉さんが「仕事をしたい」「家族と一緒にいたい」というシンプルな願いを同時に成立させた気持ちと同じですね。最後に、ベトナムで学んだことはありますか?

先を見すぎないことですね。先のリスクを考えすぎないからチャレンジを果敢にできるのではないでしょうか。ベトナムには「VUIの精神」があります。VUIとはベトナム後で陽気な、うれしいという意味なんですが「今ここを生きている」「後ろを見ない、先を見ない」という感じに意訳できる言葉です。

ベトナムではバイクで何でも運ぶんですよ。運び方も日本で考えられないくらいで、冷蔵庫をそのまま運んでいたり、水のボトルを数十本単位でぶら下げて運んだりもしています。「冷蔵庫がもし壊れたら、その時直せばいいや」という感覚なんです。生き方がすべてその感じなので、「先を考えすぎてもしょうがないな」と思えるようになりました。日本人は慎重で先を見すぎるのでリスクが起きないように先回りしますが、先回りしても予想は外れるものなので、いい意味で開き直るのが大切だと思います。

――「なるようになるさ」。特にコロナで先行きは見えない今こそ大切な視点ですね。貴重なお話をありがとうございました!

「好き」を大切にし、シンプルに行動しよう

米倉さんのお話には、仕事も生活も同じ土俵に上げて人生を楽しく生きる「公私混同力」のヒントがたくさん詰まっていました。

1.シンプルに「本当はどうしたいのか?」を考える

2.やってみたいことは、一度全部テーブルに上げる

3.どうすればできるか?を考え、リスクを恐れずまずチャレンジする

4.リモートワークは「よもやま話」「余白」がカギ

5.「好き」からでてくるエネルギーを大切にすると本業も副業もうまく回りだす

困難な状況になっても様々なルートで実現を考え、行動するお話に勇気をもらえました。「できない」と諦めそうになったら、ぜひ米倉さんの行動を参考にしてみてください!

池田千恵
朝6時 代表取締役。朝イチ業務改善コンサルタント。慶応義塾大学卒業。外食企業、外資系企業を経て現職。企業の朝イチ仕事改善、生産性向上の仕組みを構築しているほか、個人に向けては朝活でキャリア迷子から抜け出すためのコミュニティー「朝キャリ」(https://ikedachie.com/course/salon/)を主宰。10年連続プロデュースの「朝活手帳」など著書多数。