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初期老眼やスマホ老眼にも 遠近両用コンタクトが進化

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日経Gooday(グッデイ)

40~50代になると、多くの人が悩まされる手元の見えにくさ。そんな老眼症状が出たときに、老眼鏡や遠近両用メガネと並んで、選択肢の一つになるのが「遠近両用コンタクトレンズ」だ。ただ、20年も前に登場していながら、日本での浸透率は意外に低い。だが、ここ数年で新しい製品が登場し、状況が変わってきた。最近の製品事情や使用する際の心構えについて眼科医に聞いた。

欧米と比較して普及が進まない遠近両用レンズ

若い頃からコンタクトレンズを利用してきた世代が40代、50代となり老視(老眼)に悩まされるようになってきた。老眼鏡を使用せずに手元をラクに見るために遠近両用コンタクトレンズも開発され、欧米諸国での遠近両用コンタクトレンズの処方割合は15~30%に達しているが、日本では現在でも4~5%にとどまっている。

長年、遠近両用レンズの処方に取り組んできた、しおや眼科(福島市)院長の塩谷浩さんは、「日本で利用が広まらなかった背景には、遠近両用レンズに対する過去の経験からの先入観や処方の難しさがあった」と解説する。

人は脳でものを見ている

現在、主流となっている遠近両用コンタクトレンズは、ソフトコンタクトレンズ(以下SCL)の「同時視型」といわれるタイプだ[注1]。一般的な遠近両用メガネの場合、レンズは遠くを見る領域と近くを見る領域が上下で分かれており、利用者は視線を上下に変えることで、見たいものにピントを合わせるが、SCLは、常にレンズの中心が瞳孔の位置に合っている。

そのため遠近両用SCLでは、1枚のレンズに遠くに焦点が合う領域、近くに焦点が合う領域、中間の領域が同心円状に配置され、利用者が視線を移動させなくても、遠方と近方の像が同時に網膜上に結像される。「その全ての情報を脳が処理し、必要な情報を選択、不要な情報を抑制することで、見たい距離にピントが合っているように感じる」(塩谷さん)のである。

図1:同時視型のレンズの構造と見え方~脳が必要な映像を結ぶ

[注1]ハードコンタクトレンズでも遠近両用が開発されているが、SCLとは構造も見え方の特性も異なる。「ハードレンズのほうが見え方が良いが、利用には慣れが必要なため、近視用レンズからの使用経験者に主に勧められる」と塩谷さん

20年前の品質が影響している?

この同時視の仕組みにより可能になった遠近両用SCLだが、最大のデメリットは単焦点レンズ(一般的な近視用のコンタクトレンズ)に比べ、遠方も近方も見え方の質が低く、特に遠方がぼやけて見えることだ。遠近両用SCLでは、単焦点レンズで使ってきた遠くをはっきり見るためのレンズに、近くを見るための度数を加えているが(加入度数という)、その影響によるものだという。

利用者が遠近両用SCLを満足して使うには、老眼鏡を使わなくてもいいというメリットと、見え方の質が低いというデメリットに折り合いをつけることが、ある程度は必要となる。しかし、20年前に初めて遠近両用SCLが登場したときにはレンズの性能が今ほど高くない上、レンズの選択肢も少なかったため、処方してもらおうと眼科を受診して装着してみても、「遠くがぼやけて見える」「自分には合わない」などと感じ、使うのを断念したり、使い始めてもすぐにやめたりする人が多かった。

「5年ほど前から優れたレンズが次々と開発されて使う人の満足度も高まり、欧米では普及が進みましたが、日本では過去の経験から利用に慎重になる人が多く、欧米ほど普及に加速度がつかなかったと考えられます」(塩谷さん)

使う人が納得する製品が次々と登場

しかしここ5年ほどで遠近両用SCLの性能は飛躍的に高まった、と塩谷さんは言う。レンズの性能は、光学設計、素材、レンズの柔らかさなど複雑な要素で決まる。従来のレンズは、近くはよく見えても遠くの見え方についてはある程度の妥協が必要だったが、最近はレンズを作る際のコンピュータによる見え方のシミュレーション技術が進歩。それにより光学部のデザインを工夫することで、遠くの見え方の質をかなり維持しつつ、近くも見えるレンズが次々と登場しているという。

「かつて遠近両用レンズを使うのは、比較的高齢で活動範囲が狭くなった人で、『遠くの見え方を多少犠牲にしても近くが見えればいい』と妥協できる高齢者に限られていました。40~60代とまだ活動範囲が広く、自動車の運転やスポーツ、旅行などで遠くも見たいという人の要望にはなかなか応えられず、それも普及率が伸びない一因でしたが、最近は近くも遠くも見えるものが出てきました。そうした最近の製品には、遠くの見え方を損なわず近くの見え方を少しだけサポートするレンズが出ており、老眼の初期はもちろん、10代、20代でスマホなどの使いすぎによる眼精疲労で目の調節力を失ったいわゆる『スマホ老眼』にも使えるなど、適応のバリエーションが広がっています」(塩谷さん)

こうした最新のレンズ(図3)のことも知っていて、それも選択肢に入れて患者にアドバイスできる眼科医院では、遠近両用SCLを納得して使い始める人が増えているという。

自分に合った遠近両用SCLを選ぶコツ

ただ、最新の遠近両用SCLであっても、単焦点レンズに比べると、遠方の見え方の質がやはり多少劣るという。自分に合った製品を処方してもらうためには、同時視型の特徴をよく理解しておくことも必要だ。塩谷さんはいくつかのポイントを挙げる。図4にまとめた通りだが、なかでも重要なのは(1)の「自己判断で選ばず、処方経験が豊富な眼科を受診」することだ。

最近は通販で簡単に購入できるが、自己判断で自分に合うものを見つけるのは非常に難しく、例えば自分の近視用コンタクトレンズの度数が「マイナス3」だからと遠近両用レンズでも遠方用の度数が「マイナス3」のものを選んでも、遠近両用ではまず同じようには見えないという。また同時視型と一言で言っても、各メーカーでレンズの光学部のデザインに独自の工夫をしており、見え方はそれぞれ異なる。そのため、あるレンズが合わなくても別のレンズなら合うということもあり、多くの種類のレンズから適切なものを選ぶ必要がある。そのためにも、処方経験が豊富で最新の製品情報に通じた眼科を選ぶことが欠かせない。

塩谷さんによれば、例えば図3で挙げたような最新の製品情報を知っていて、そこまで視野に入れてアドバイスをしてくれるような眼科は、遠近両用SCLの情報収集に積極的だと判断できるという。

同じ処方を長期間維持できるメリットも

自分に合ったレンズを見つけられた場合、遠近両用SCLならではのメリットもある。遠近両用メガネの場合は、40代で作っても老視の進行に合わせて数年単位で再調整が必要になることも多いが、「脳で見る」遠近両用SCLの場合は、同じ処方で10年以上快適な生活を送れることも多いという。

なお、コンタクトレンズはオープン価格のため販売店によって価格は異なるが、通常のコンタクトレンズ(単焦点レンズ)に比べ遠近両用は3~5割高いことが多い。

(ライター 荒川直樹、イラスト 三弓素青)

[日経Gooday2020年9月1日付記事を再構成]

塩谷浩さん
しおや眼科(福島市)院長。医学博士。1985年福島県立医科大学卒業。90年同大学眼科学教室助手、92年しおや眼科開設。特殊コンタクトレンズ(強度乱視用レンズ、遠近両用レンズなど)の処方を専門的に行う。2018年より福島県立医科大学眼科臨床教授。

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