対義語を活用して多面思考を実践する

日常生活では、3つの違いはそれほど意識する必要はありません。要は、いろんな観点から考えればよいだけです。一番お手軽なのが、相反する2つの観点で見ることです。

アイデアの採否を検討するときに使う「プロコン表」が、まさにこれに当たります。

ホワイトボードや紙の真ん中の線を書き、左のスペースに賛成の理由(Pros:良い点やメリット)を、右に反対する理由(Cons:悪い点やデメリット)を挙げていきます。左右を見比べて、トータルでどちらが優勢かを判断します。

賛成と反対をあわせて賛否といいます。メリットとデメリットは損得です。このように熟語の中には、意味が正反対の言葉をセットにしたものがたくさんあります。対義語と呼びます。

他にも、男女、長短、善悪、新旧、利害、公私、自他、入出、遠近、内外、主従、難易、増減、需給、動静、因果、攻守など、数え上げればキリがありません。

観点を3つにすれば、衣食住、心技体、人物金、知情意、守破離、報連相、正反合、走攻守、大中小などがあります。4つでは、起承転結、老若男女、加減乗除、喜怒哀楽、冠婚葬祭などがあり、時間のある方は調べてみてください。

これらはすべて多面思考の切り口として使えます。新しい事業を立ち上げるなら、人物金の3つの観点で考える、といったように。日本語は多面思考を実践するのに便利な言葉なのです。

ビジネス・フレームワークを活用する

熟語にある切り口はテーマを選ばず、一般的に使えるものばかりです。それに対して、ビジネスに特化した切り口があります。「ビジネス・フレームワーク」と呼ばれているものです。

経営学の理論や経営コンサルタントのノウハウを凝縮したもので、労せずして多面思考ができるのがありがたいです。今やビジネスには欠かせないツールと言っても過言ではありません。

フレームワークに関しては、以前の連載「フレームワークで働き方改革!」で詳しく解説をしました。そのとき取り上げなかったものをひとつだけ、多面思考の例として紹介したいと思います。

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