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転売需要で高値のタワマン 「バブル」いつはじける?

コロナの先の家計シナリオ 住宅ジャーナリスト 榊淳司

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NIKKEI STYLE

東京の都心や湾岸などのタワーマンションの価格について、住宅ジャーナリストの榊淳司さんは「高止まりしているのは転売目的の購入需要による『バブル』だ」と指摘します。では「バブル」ははじけるのでしょうか? 榊さんは自民党の新総裁に選出された菅官房長官のもとで異次元金融緩和はいつまで続くのか、新型コロナウイルス対策の給付金などの効果がいつまで持続するのかといったポイントに注目しています。

◇ ◇ ◇

私は過去に『2025年東京不動産大暴落』(イースト新書)という著作を出したことがあります。そのせいか「マンションの価格はいつ下がるのか?」といった質問をよくされます。コロナ禍によって大きな不況がやってくることが確実な情勢のなか、この手の質問はさらに多くなった気がします。

ただ、正直に申し上げると、実際にいつ価格が下がるのか、よく分かりません。ひとつ言えることは「インフレでも起きない限り、今よりマンションの価格が上がることはなさそうだ」ということです。

中古の価格、19年が天井か

マンションの市場価格についての統計は様々です。新築マンションの場合は、売り主企業が基本の「販売希望価格」が数字に反映されます。これだけを見ていると、2020年も21年も価格は上がっていくはずです。

しかし、実際の販売現場では売り出し価格では買い手が現れず、値引き販売が行われることが多々あります。しかし、値引きされた価格まで反映した統計は存在しません。

中古マンションの場合、国土交通省が所管する不動産取引情報提供システム「レインズ」というサイトに登録された成約事例が最も現実に近いのですが、これを見ると19年あたりで天井を打った感じがします。

需給バランス崩れ、バブル的な値上がり

モノの値段は基本的に需要と供給の関係で決まります。不動産も基本的には同じです。

しかし、東京の都心や城南、湾岸などの一部の限られたエリアでは13年以降、本来の需給関係とは異なる要素で価格が変動してきました。短期的な値上がりを狙った転売目的での購入が盛んに行われたのです。特にタワマンの価格にその傾向が強く見られました。都心や湾岸のタワマンは、もはや金融商品と言っていい状態でした。

実際のところ、08年のリーマン・ショックでいったんは価格が下がった都心のマンション市場では、10年ころからずっと上昇傾向が続いています。このため、ここ10年以内に都心や湾岸でタワマンを購入した人は、譲渡益を出して売り抜けたか、あるいは含み益を抱えて保有し続けています。

このように転売目的での購入が増えると、本来の「住むために買う」需要を不自然な形で膨らませます。そこで需給バランスが崩れてバブル的な値上がりが起こるのです。

現に黒田東彦日銀総裁が異次元金融緩和の第2弾(黒田バズーカ2)を発表した14年10月以降のタワマン市場は、まさにバブルと呼ぶべき状態になりました。それは多少萎(しぼ)みはしましたが、今も継続中です。

異次元緩和継続なら23年までバブルも

このバブルがはじけると、マンション市場の相場は下落に転じるはずです。バブル的に値上がりした都心や城南、湾岸エリアのマンション価格は「逆バブル」的に下落するでしょう。

では、このバブルはいつはじけるのでしょうか?

確実に言えることは、現在の異次元金融緩和が終われば、その時が来ます。しかし、今のところその見通しは立っていません。異次元金融緩和を始めた黒田総裁は安倍内閣に任命されました。安倍首相が辞任すれば一緒に退任かと思われましたが、新首相になる菅氏も異次元金融緩和を支持する方針を打ち出しています。黒田氏も、伝えられるところによれば「23年までの任期を全うすることに意欲満々だ」とのことです。

ということは、今のバブルは少なくとも23年までは続く可能性もあります。

転売目的の購入需要、萎む可能性

転売目的のタワマンの購入需要がバブルを膨らませたことは前述したとおりです。ところが、このコロナ禍で不動産市場では「この先は値下がりするだろう」という見方が広がっています。転売目的の購入需要がさらに萎む可能性が高くなっているからです。

 そうなれば、都心や城南、湾岸エリアのマンション市場は本来の需要と供給の関係による価格形成に戻るかもしれません。「住むため」という本来の需要でマンションが売れるかどうかは、景気次第です。

ところが、実際の景気指標はどれもかなり悪くなっています。4~6月の国内総生産(GDP)に至っては年率換算で28%を超える減に下方修正され、統計数字としては戦後最悪からさらに悪化しました。それでも不況感が強くないのは、一人10万円などさまざまな給付金を支給したり、企業への無利子・無担保の融資制度を新設したりしたことで市場にジャブジャブとお金を供給した効果が出ているのでしょう。

ただ、その効果もそろそろ息切れしそうな気配を感じます。年末にかけて不況感は深まるのではないでしょうか。

新築の価格下落、半年以上先か

新築も中古もマンションは売れなければ価格が下がります。ただ、需給関係での価格の変化は緩やかに進行します。今後、不況感が強まるとともにマンションの販売不振が続けば価格ははっきりと下落に転じるでしょう。

分かりやすいのは中古市場のほうです。新築の場合、売り主が提示する売り出し価格が可視的に下がるには、あと半年から1年以上はかかるはずです。なぜなら、そのあたりまではコロナ禍の前に事業用地を仕込んだ物件が売り出されるからです。

特に急ぐ必要がなければ、マンション購入はゆっくりと進めるべきでしょう。ただ、「高いけれど早く買って快適な生活を始めたい」という発想も否定できません。それぞれの人の価値観の問題だからです。

榊淳司
住宅ジャーナリスト。榊マンション市場研究所を主宰。新築マンションの広告を企画・制作する会社を創業・経営した後、2009年から住宅関係のジャーナリズム活動を開始。最新の著書は「限界のタワーマンション(集英社新書)」。新聞・雑誌、ネットメディアへ執筆する傍らテレビ・ラジオへの出演も多数。

「ニューノーマル」「新常態」とも呼ばれる新しい生活様式が広がりつつあります。コロナで一変した家計の収入や支出、それに伴うお金のやりくりをどうすればよいかも喫緊の課題です。連載「コロナの先の家計シナリオ」は専門家がコロナ後のお金にまつわる動向を先読みし、ヒントを与えます。

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