転売需要で高値のタワマン 「バブル」いつはじける?コロナの先の家計シナリオ 住宅ジャーナリスト 榊淳司

2020/9/15
写真はイメージ=PIXTA
写真はイメージ=PIXTA

東京の都心や湾岸などのタワーマンションの価格について、住宅ジャーナリストの榊淳司さんは「高止まりしているのは転売目的の購入需要による『バブル』だ」と指摘します。では「バブル」ははじけるのでしょうか? 榊さんは自民党の新総裁に選出された菅官房長官のもとで異次元金融緩和はいつまで続くのか、新型コロナウイルス対策の給付金などの効果がいつまで持続するのかといったポイントに注目しています。

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私は過去に『2025年東京不動産大暴落』(イースト新書)という著作を出したことがあります。そのせいか「マンションの価格はいつ下がるのか?」といった質問をよくされます。コロナ禍によって大きな不況がやってくることが確実な情勢のなか、この手の質問はさらに多くなった気がします。

ただ、正直に申し上げると、実際にいつ価格が下がるのか、よく分かりません。ひとつ言えることは「インフレでも起きない限り、今よりマンションの価格が上がることはなさそうだ」ということです。

中古の価格、19年が天井か

マンションの市場価格についての統計は様々です。新築マンションの場合は、売り主企業が基本の「販売希望価格」が数字に反映されます。これだけを見ていると、2020年も21年も価格は上がっていくはずです。

しかし、実際の販売現場では売り出し価格では買い手が現れず、値引き販売が行われることが多々あります。しかし、値引きされた価格まで反映した統計は存在しません。

中古マンションの場合、国土交通省が所管する不動産取引情報提供システム「レインズ」というサイトに登録された成約事例が最も現実に近いのですが、これを見ると19年あたりで天井を打った感じがします。

需給バランス崩れ、バブル的な値上がり

モノの値段は基本的に需要と供給の関係で決まります。不動産も基本的には同じです。

しかし、東京の都心や城南、湾岸などの一部の限られたエリアでは13年以降、本来の需給関係とは異なる要素で価格が変動してきました。短期的な値上がりを狙った転売目的での購入が盛んに行われたのです。特にタワマンの価格にその傾向が強く見られました。都心や湾岸のタワマンは、もはや金融商品と言っていい状態でした。

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