転売需要で高値のタワマン 「バブル」いつはじける?コロナの先の家計シナリオ 住宅ジャーナリスト 榊淳司

2020/9/15

実際のところ、08年のリーマン・ショックでいったんは価格が下がった都心のマンション市場では、10年ころからずっと上昇傾向が続いています。このため、ここ10年以内に都心や湾岸でタワマンを購入した人は、譲渡益を出して売り抜けたか、あるいは含み益を抱えて保有し続けています。

このように転売目的での購入が増えると、本来の「住むために買う」需要を不自然な形で膨らませます。そこで需給バランスが崩れてバブル的な値上がりが起こるのです。

現に黒田東彦日銀総裁が異次元金融緩和の第2弾(黒田バズーカ2)を発表した14年10月以降のタワマン市場は、まさにバブルと呼ぶべき状態になりました。それは多少萎(しぼ)みはしましたが、今も継続中です。

異次元緩和継続なら23年までバブルも

このバブルがはじけると、マンション市場の相場は下落に転じるはずです。バブル的に値上がりした都心や城南、湾岸エリアのマンション価格は「逆バブル」的に下落するでしょう。

では、このバブルはいつはじけるのでしょうか?

確実に言えることは、現在の異次元金融緩和が終われば、その時が来ます。しかし、今のところその見通しは立っていません。異次元金融緩和を始めた黒田総裁は安倍内閣に任命されました。安倍首相が辞任すれば一緒に退任かと思われましたが、新首相になる菅氏も異次元金融緩和を支持する方針を打ち出しています。黒田氏も、伝えられるところによれば「23年までの任期を全うすることに意欲満々だ」とのことです。

ということは、今のバブルは少なくとも23年までは続く可能性もあります。

転売目的の購入需要、萎む可能性

転売目的のタワマンの購入需要がバブルを膨らませたことは前述したとおりです。ところが、このコロナ禍で不動産市場では「この先は値下がりするだろう」という見方が広がっています。転売目的の購入需要がさらに萎む可能性が高くなっているからです。

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