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日本の医療、コロナで弱点浮き彫り 回復期病床少なく

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NIKKEI STYLE

新型コロナウイルスの感染拡大で、日本の医療が崩壊するのではないか、との懸念が広がっています。

感染者を受け入れる病床が足りなくなる事態を医療崩壊と呼ぶなら、日本では現時点では医療崩壊は起きていません。経済協力開発機構(OECD)の調査によると(各国のデータはおおむね2017年時点)、人口千人当たりの病床数が日本は13.1と突出して多く、OECD加盟国平均の4.7を大きく上回っています。入院後の治療も含め、日本の医療体制を評価する声は少なくありません。

しかし、病床を種類別にみると、決して十分とはいえません。日本の医療法では、病床を一般病床、療養病床、感染症病床、結核病床、精神病床の5種類に分類しています。厚生労働省の調べでは、3月末の病院全体の感染症病床は1886で、152万を超える病床全体に占める割合は0.1%あまりにとどまっています。

そこで同省は2月、緊急時には感染症病床以外の病床への入院が可能であるとの見解を示しました。一般病床を転用する動きが広がり、コロナの入院患者受け入れが可能な病床数は全国で2万を超えています。ただ、受け入れ可能な病床数と、現在の入院者数の比率には都道府県によって大きな差があり、病床数に入院者数が近づいている地方は特に注意が必要です。

同省はこれまで「地域医療構想」のもとで、病床の総数を削減する方向性を打ち出していました。しかし、コロナ対応で病床不足が問題になり、構想を批判する声も聞かれます。これに対し慶応大学の土居丈朗教授は「地域医療構想で打ち出したのは、一般病床と療養病床の再編であり批判は的外れ。コロナの病床不足は、病床そのものが足りないのではなく、機能分化と連携が進んでいなかったことが問題だ」と強調します。

みずほ情報総研の村井昂志チーフコンサルタントは「病床をとにかく増やすというのは現実的ではない。どんな機能の病床を増やすのかを明確にすることが必要であり、これは地域医療構想の考え方とも一致する」と指摘します。

地域医療構想では、病床の機能を高度急性期、急性期、回復期、慢性期に分けています。現状では高度急性期や急性期に比べ、入院医療費が少ない回復期の病床が足りない傾向があり、「退院してもよい患者を退院させる機能が弱くなっている」と土居氏はみています。

オンライン診療の是非、医療従事者の過労、病院経営の悪化も焦点です。コロナ禍は、日本の医療制度が抱える構造問題にメスを入れよ、と迫っています。

土居丈朗・慶応大学教授「病床の機能分化と連係進まず」

コロナウイルス禍は日本の医療が抱える課題を浮き彫りにしました。医療制度に詳しい慶応大学の土居丈朗教授に打開策を聞きました。

――コロナ禍で多くの国民が医療に目を向けています。

「コロナの感染拡大で、日本の医療制度の弱点があらわになりました。『かかりつけ医制度』が定着していないことが、その一つで、混乱の原因になっています。自分の健康状態をよく知っている、信頼できる医師が身近にいれば、何かあればまず、その医師に相談すればよいのです。ところが、日本では、そうした医師がいないために、感染の疑いがある人が突然、診療所を訪れ、軽症患者が入院したまま重症患者を受け入れられない、といった問題が起きました」

「日本の医学界には、専門医が医療の中心を担うという伝統があります。多くの医師は特定の分野でトレーニングを積み、開業医も大半は専門分野に特化しています。日本医師会は、かかりつけ医の研修制度を設けていますが、あまり定着していません。人口が減少している日本では、外来患者はやがて頭打ちになるとみられています。かかりつけ医として幅広い患者を診療できる医師が求められるはずです」

――感染症病床の不足が問題になっています。

「病床の総数が足りないのではなく、病床の機能分化と連携が進んでいないことが、日本の医療のもう一つの弱点です。政府が推進する地域医療構想では、2013年時点で全国には未報告・未集計の分を除いて約135万の病床があり、25年には約119万床があれば入院患者に対応できるとの見通しを示しています。この構想で打ち出したのは、一般病床と療養病床の再編であり、感染症病床は含まれていません。病床を全国一律に減らす構想ではなく、東京や大阪といった大都市部では、病床が全体に不足しているので、増床と再編が必要とされています」

――コロナ感染への警戒が広がり、それ以外の病気による通院や入院が減った病院が経営難に陥っています。

「外来患者に頼っているとどんな打撃を受けるのか、多くの病院が認識したでしょう。過剰診療を前提にしなくても病院経営が成り立つようにしなくてはなりません。治療にかかった費用で報酬が決まる『出来高払い制度』を改め、入院医療では病気の種類(診断群分類)によって診療報酬が決まる『包括払い制度』の拡大や、外来医療では診療や検査回数の多寡に関わらず定額の報酬を支払う『包括払い化』の導入などを検討するタイミングではないでしょうか」

(編集委員 前田裕之)

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