挨拶はごきげんよう 異色女性官僚生んだ白百合の校則須賀千鶴・世界経済フォーラム第四次産業革命日本センター長(上)

白百合自体は校則の厳しい学校だった。「謎の校則」もあった。

「色鉛筆まで赤と決まっていて、青赤鉛筆を認めてもらうのに5年間訴え続けた」と振り返る

まず生徒手帳が分厚い。髪の結び方も細かく規定されています。髪を染めたり、パーマをかけたりは論外ですが、ポニーテールもご法度。少し髪が長いと、耳の上で2つ分けにして結ぶなど髪や服装に関しては厳格に指導されます。スカートの丈も最寄り駅で抜き打ち検査が度々ありました。学園内に入る直前にスカート丈を直す生徒もいるので、その前にただすわけです。

もちろん芸能活動も禁止です。女優の松たか子さんもご出身ですが、女優業を優先するため転校されました。

ペンケースや下敷きなど文具まで指定されていました。赤いケースと青い下敷きでしたね。鉛筆の長さや本数も決まっていて、色鉛筆はながらく赤鉛筆しか認められませんでした。青赤鉛筆は、生徒側が実に5年間訴えてやっと認めてもらいました。

当時は謎のルールだとよく反発していました。しかし、先生方は「はしたない」「美しくない」と感じられることに容赦はなかった。そのルールは必要だと本気で信じ、強く指導していた。生徒の側は、例え色鉛筆1本でも、なぜダメなのかと反論し、小さな自由を手に入れてゆく。これも子供の時には大事な教育だったのではないかと今は思います。 

礼儀や校則に厳しいだけではなく、先生方は授業に非常に熱心でした。白百合と言えば、良妻賢母を育てる、私立文系に強い女子校というイメージが当時はあったと思いますが、理系に弱いからではなく、文系に強い理由がありました。多くの本を読むことを求められるし、読書感想文も書く機会が多くありました。

数学は方程式などを覚えないとテストで点数がとれない。でも国語はあまり勉強しても意味ないかと手を抜いたら、国語の教師から「日本人なら国語は勉強しなくても大丈夫と思っているでしょう。勘違いです」と叱られ、四字熟語などの辞典を購入して毎日数ページ暗記しなさいとか、「作者の意図は何か」など読解力を上げる指導も徹底的に受けました。古文の教師もテスト用紙に単に○×をつけるだけではなく、「あなたはここに関心があるようですから、もっとここを勉強した方がいい」とわざわざ書き込んでくださいました。おかげで大学受験でも文系科目で困ることはありませんでした。

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