2020/9/18

次の子の妊娠は、いつから産休になるか

それでは、第1子の育児休業中に、第2子を妊娠した場合は、いったいどうなるのでしょうか?

第2子の産前休業を、出産予定日の6週間前から申請することは可能です。ただ、上述したとおり、産前休業は本人の請求ベースとなります。

仮に、第2子の産前休業を請求しなかった場合、産後休業が開始される前日(出産日)に、第1子の育児休業は終了することとなります。

いずれのタイミングにおいても、産休か育休かの違いはあるにせよ、社会保険料の免除は受けられます。

申し出のタイミングで注意したいのは、給付金です。

出産手当金については、第2子の出産前に取得している休業が、第1子に係る育児休業等であるか、第2子に係る産前休業であるかを問わず、出産手当金の支給要件を満たしていれば、被保険者からの申請に基づき支給されます。

これは盲点ともいえるでしょう。なぜなら、一般には出産手当金は産休期間を対象として受けられるものだと考えられているからです。しかし、支給要件は、産前産後の一定期間内で仕事を休んだ期間となるため、第1子の育休中であっても、支給要件を満たしていれば申請できることになります。

それでは、育児休業給付金はどうなるでしょうか。

こちらは、あくまでも育児・介護休業法に基づく育児休業の期間が対象となります。そのため、第2子の産前休業を請求すれば、その産休開始の前日までが育児休業給付金の対象となります。

一方、第2子の産前休業を請求せず、第1子の育休期間が続いているとすれば、出産日の当日までの間、第1子の育児休業給付金の申請が可能といえます。

つまり、第2子の産前休業は請求せずに、出産日の翌日から産後休業が始まる場合、第1子の育児休業給付金と第2子の出産手当金の併給が部分的に可能となります。

このように、法律上の解釈においては、第1子の育児休業給付金と第2子の出産手当金を同時に受けられる場合もありえます。どちらかと言えば特異なケースであり、産前・産後休業と育児休業を同時に取れるわけではありません。

こうした違いをよく理解したうえで、次のお子さんの産休・育休申し出のタイミングについては、検討されるとよいでしょう。

佐佐木由美子
人事労務コンサルタント・社会保険労務士。中央大学大学院戦略経営研究科修了(MBA)。米国企業日本法人を退職後、社会保険労務士事務所などに勤務。2005年3月、グレース・パートナーズ社労士事務所を開設し、現在に至る。女性の雇用問題に力を注ぎ、働く女性のための情報共有サロン「サロン・ド・グレース」を主宰。著書に「採用と雇用するときの労務管理と社会保険の手続きがまるごとわかる本」をはじめ、新聞・雑誌などで活躍。