日本と世界を変えるには 隠れた「とがった個」つなぐA.T.カーニー日本代表 関灘茂氏 (4)

上記のような問いかけを読者に示すだけではなく、私自身も何らか貢献できる領域を広げたいと思い、2010年ごろから日本の食、ファッション、メディア・コンテンツ、観光、街づくり、地域産品などの領域の検討に関わるようになりました。

週末なども活用して、上記の各領域に関するリサーチをし、領域全体の課題や横断的な課題の仮説を持ち、各領域の有識者にお話をうかがいながら、仮説を検証していくプロセスは、自身が知らないことの多さや様々な領域で奮闘する方々の声や思いを認識する機会でもありました。

何もしなければ、より良くはならない

課題認識を整理し、情報が発信されていく過程で、政府官公庁の方々との接点が生まれ、課題認識の共有が進み始め、本格的に日本の食、ファッション、メディア・コンテンツ、観光、街づくり、地域産品などの領域の個別課題や横断的な課題が議論される体制が整う過程には驚きました。

もちろん協力的ではない方々なども多数いらっしゃるのですが、様々な領域で課題認識を持っている方々が点在しており、「日本を変える、世界が変わる」という志を持ちつつ、地道に働きかけを続けることで、各領域の「とがった個」が引き寄せられ、互いを知り、対話がなされ、課題認識が共有されていくプロセスを体感できました。

クライアント企業との事業創造と変革においても、テーマによっては目に見える成果につながるまでに1年、3年、5年といった時間を要するものがありますが、企業横断・産業横断の課題解決には5年、10年、それ以上の時間を要するものもあり、目に見える成果につながっているものも、いないものもあるのが現実です。

とはいえ、何もしなければより良い状態にはならないと考え、日本企業と社会への問題提起にとどまることなく、的確な課題設定と解決策の設計を通じて、日本企業と社会の「可能性を解き放つ」ことに貢献すべく、企業横断・産業横断での「とがった個」のネットワーク化と協働を加速させたいところです。

各業界における海外の競合企業を上回る成長スピードの実現、新たなビジネスモデル・価値・顧客の創造、新たなオペレーションモデルの構築、SDGs(持続可能な開発目標)に対応した取り組みの加速などの各方面において世界のフロントランナーとなり、世界中の企業にとってロールモデルとなる日本企業が、飛躍的に増えていくことを願っています。

関灘茂
兵庫県神戸市出身。神戸大学経営学部卒業。INSEAD(欧州経営大学院)MAP修了。A.T.カーニー入社後は消費財・小売り・メディア・サービス・金融・不動産分野を中心に30社以上のクライアント企業と新規事業創造、既存事業変革、マーケティング・イノベーション、組織文化・行動改革、M&A(合併・買収)・PMI(買収後の統合作業)などを経営テーマに100以上のプロジェクトを推進。

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