オンライン授業は悪いことばかりでもない。テレビ会議システムを使った双方向の授業なら、わからないところをチャット機能ですぐ質問することもできた。先生に直接メールで聞くこともできる。しかし、「テストがオンラインで実施されたうえに、不具合があったとき備えるという理由で、二重にリポート課題も課された授業もあった。おかげさまでなんかすごい大変ですよ」

「オンラインのつながりは薄い」

「最近、母には、マクドナルドでバイトのフリーターと呼ばれる。でもその通りなんです」。明治大学政治経済学部1年のBさんは苦笑する。

高校まで地方で過ごしたBさんは、東京に友人はほとんどいない。大学の同級生たちは、オンライン授業では一緒になるが、授業外の雑談はしたことがない。リアルで会った人も一人もいない。今はマックのバイトで友達に会うのが唯一の楽しみという。

昨年秋、災害の現場で活躍するボランティアの姿をテレビで見て、大学時代はボランティアに挑戦しようと決めていた。「将来の目標はまだわからないが、ボランティア活動は初めて自分でやってみたいと思った活動だった」。しかし、コロナ禍ですべての活動が中止になり再開の見通しも全く立っていない。「週1回でもいいから活動の場がほしい。いわゆるキャンパスライフを楽しみにしていたのに」。Bさんの声は、多くの大学生の素直な心情だろう。

オンラインでつながれる時代と大人は安易に言ってしまいがちだ。それはすでにつながりがある人間関係にはいいだろう。しかし、これから大学生活を始める18歳には「オンラインだけだとつながりが薄すぎるんです」とBさんは戸惑いを隠さない。

難しい内容に四苦八苦「同級生と相談できたらよかったのに」

学問は自分で深めるものだという意見は、大学再開の是非を議論するなかで必ず登場する。オンラインで授業があるならいいじゃないか……。しかし、大学1年生が大学の学びをいきなり完全オンラインで開始するのは、なかなかハードルが高かったようだ。

大学の授業での難しい単語や内容に苦労する1年生は多い(写真はPIXTA)

中央大学法学部1年のCさんは、法律関連の教科書を初めて見たときの衝撃が忘れられない。「聞いたこともない単語がならんでいて意味がわからない。なのに、それを読んでレジュメを作って意見を書くという課題が出た」。自宅で一人、課題に取り組むうちに「これが分からないのは自分だけかもしれない」という不安感が募ってしまった。「もし、学校に行っていたら、同級生と一言二言『難しいね』って話すだけで気分が楽になったと思う。本当に精神的にきつかったです」と吐露する。

地方の国立大学で数学を学ぶ男子学生のDさんも同様の経験をした。「数学って、高校時代には習わない記号が大学レベルでたくさん登場するんです。それらの使い方を一人ですべて覚えなければならなかった」

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