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せんべろ好きの女子も集う 「蛇口」から焼酎飲み放題

ウリの「お刺身ガチ盛り」(500円・税別)。仕入れによるが、この日は7種の刺し身が盛り合わせてあった(西荻窪店)

実は一つの仕掛けがある。もともと「蛇口」は面白いコンテンツで、投稿したくなるが、500円の「お刺身ガチ盛り」を頼むと、SNS(交流サイト)にアップしなくてはいけないルールがある。それで、割引やポイントがつくわけではないのだが、「蛇口」を面白いと思って投稿し、そして「お刺身ガチ盛り」が来るとその豪華さに感動してまた投稿する。それが拡散されて、情報感度が高い若者層が来店するという仕掛けだ。

実際に店に入ると、「蛇口」を使った飲み方の手書きの説明書きが貼ってあり、そこには、「まずカメラの準備を」とあり、SNSへの投稿を前提とした案内がある。「お刺身ガチ盛り」も同様だ。こうした工夫がお客を呼んでいる。

高田馬場店もコロナ禍の5月に開店した西荻窪店も、もちろん影響を受けたそうだ。ただ、「キンミヤ蛇口」という強烈な個性と、SNSをフル活用した告知で、落ち込みは最小限にできたという。

飲み放題のルールを書いたPOP。SNSへの投稿のコツを書いてあるのが細やかだ

ちなみに、蛇口にどうやって焼酎を供給しているのか? 店舗スタッフに聞くと、カウンターの壁から蛇口が出ている場合、供給装置をカウンターにつけてあり、そこにキンミヤを入れておくという。西荻窪の店舗は、一部は壁からの蛇口でなく、ビニールパイプを使って蛇口に供給しているが、そちらは業務用のビニールパック焼酎を高い位置に置き、そこから出るようにしているとのこと。

こんな面白い店をなぜ作ったのか、経営するワン・チャンス専務の谷口大嘉氏に聞くと、「もともとキンミヤを蛇口で提供したら面白いな、と思っていました。で、高田馬場の開店を機にチャレンジしたんです。正直30分399円だと利益はあまりないです。最高6杯飲んだ方がいましたが、それだと720ミリリットルのボトル1本飲まれたのとほぼ同じことですから。平均すると、延長して1時間、2人で5~6杯というところでしょうか。あとは割材と料理で原価調整している感じですね」。

儲かっているのか?

「西荻窪店の月商は6月で500万円規模。コロナ後に人出が戻って来れば600万円クラスになります。1号店の高田馬場は、駅から離れていることもあり、300万~350万円くらいですね」。ビジネス的に言うと、飲み放題の新しい取り組みと言える。原価管理は必要だが、お客をワクワクさせる効果がある。

ただ、お客として行くには注意が必要だ。正直、飲み過ぎてしまう。この店を紹介してくれた知人は「最後に蛇口に口をつけて飲みたくなる」という名言を残してくれた。楽しくても恐ろしい店である。

(フードリンクニュース編集長 遠山敏之)


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