ダイハツ新型「タフト」 運転席から青空臨む開放感

2020/10/11
ダイハツが軽クロスオーバーSUV市場に投入したニューモデル「タフト」を試乗した(写真:郡大二郎、以下同)
ダイハツが軽クロスオーバーSUV市場に投入したニューモデル「タフト」を試乗した(写真:郡大二郎、以下同)
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スズキの1強状態が続いていた軽クロスオーバーSUV市場に、ダイハツが送り込んだニューモデル「タフト」。ライバルとは異なるアプローチをとり、独自のキャラクターを確立したこのクルマは、マーケットに一石を投じる存在となるか?

異物感にたじろぐ

試乗会の数日前、街なかで偶然タフトを見かけてたじろいだ。まわりの風景から浮かび上がっているように見えたのだ。東京オートサロンの会場に置かれていたときは、都会的でクールだな、と冷静に観察していた。しかし、公道を走っていると、これはかなりインパクトのある見た目である。異物感が強い。「スズキ・ハスラー」対抗と目されているわけだが、ビジュアルで明確な差別化を図ることには成功した。

はっきりとしたキャラクターを持っていることは、後発の製品としては極めて重要だ。ダイハツが2015年に発売した「キャスト」は、その点で物足りなかったように思う。軽ハイトワゴンの新たな選択肢を提供する意図があったはずだが、「アクティバ」「スタイル」「スポーツ」という3種のタイプを用意したことで印象が分散してしまった。今となっては、どんな形をしていたのか思い出せない。律義にユーザーの好みに応えようとしたことがアダとなり、アピールが弱くなってしまった。

リベンジマッチとなる今回は、戦略を練り直してきたようである。誰にでも好かれる八方美人を目指すのはやめ、自らの主張を貫いている。SUVテイストというコンセプトは共通していても、ハスラーとは異なる道を開拓しようという気概が感じられるのだ。ダイハツのオフィシャルコメントとしては「ハスラーに対抗するというより、このジャンルを一緒に盛り上げていきたい」ということで、異なる個性だからこそマーケット拡大に貢献することができる。

ハスラーは2020年7月の販売台数が前年同月比117.2%で、軽自動車の車名別ランキングで5位、登録車を含めた総合順位で10位に入るという好調な売れ行き。タフトも軽自動車の順位で8位に入っており、マーケットには早くも競合効果が表れているようだ。軽自動車の世帯あたり普及台数は2019年に前年比0.1%減と44年ぶりの減少に転じたが、軽クロスオーバーSUVというジャンルを拡充できれば、まだ伸びしろはあるはずだ。

直線を組み合わせたような意匠が特徴のエクステリア。最低地上高は「スズキ・ハスラー」より高く、登録車の小型SUVに匹敵する190mmとなっている
インストゥルメントパネルまわりはゴツゴツとしたラギッドな印象。豊富な収納スペースや充電用のUSBソケットを備えるなど、モダンな軽乗用車としての機能性もしっかり確保している

基本は2名乗車という割り切り

タフトの原型は、2019年の東京モーターショーに出展されたコンセプトカー「WakuWaku」である。レジャーユースを想定して大量の荷物を積むことを優先しているとの説明があり、前席と後席のキャラクターがはっきりと区別されていた。ファミリーで乗ることを想定したタントとは異なり、基本的には2名乗車という割り切った構想である。子離れしたシニアも重要なターゲットなのだ。高齢者向けのモデル開発が、軽自動車には重要な課題となる。

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