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「子供もすなるScratchといふものを、大人もしてみむとてするなり」。いきなり「土佐日記」のもじりで失礼しました。この記事を書くにあたって、すぐさまこの一節が浮かんできたのです。Scratch(スクラッチ)というプログラミング言語をご存じでしょうか。一般には、子供向けの言語と言われています。しかし、その機能・性能はあなどれず、大人でも十分に活用できます。『ScratchでAIを学ぼう ゲームプログラミングで強化学習を体験』(日経BP)という、Scratchを使って人工知能(AI)の仕組みを解説する書籍の編集を担当し、そのことを実感しました。まさに、"子供もするというScratchというものを、大人もしてみようと思ってする"ことをオススメします。

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Scratchは、マサチューセッツ工科大学(MIT)のメディアラボが作った教育用のプログラミング言語(プログラミング環境)です。WebブラウザーでMITのサイト(https://scratch.mit.edu)にアクセスし、「作ってみよう」のリンクをクリックするだけですぐに動かすことができます。

文字で記述するプログラミング言語と違い、ビジュアル的にカンタンにプログラミングしていけることがScratchの特徴です。Webブラウザーで表示される画面の右上の領域が「ステージ」で、ここでキャラクター(スプライトと呼びます)などが動いたり、吹き出しを使ってしゃべったりします。左側の「ブロックパレット」から「コードブロック」を真ん中の「スクリプトエリア」にドラッグして並べ、それらを組み合わせてプログラムを作ります。

Scratchのプログラムでよく見るのは、「Scratchキャット」と呼ばれるネコのキャラクターです。以下のようなScratchキャットを使ってお絵かきするScratchプログラムを、子供向けのプログラミング入門書などで見たことがある人も多いかもしれません。

カンタンなScratchプログラムの例(ブロックパレット、スクリプトエリア、ステージ、コードブロックの文字は説明のために付け加えたもの)

カンタンなScratchプログラムの例(ブロックパレット、スクリプトエリア、ステージ、コードブロックの文字は説明のために付け加えたもの)

このように、パズルを組み立てるようにカンタンにプログラミングができるので、Scratchは子供たちが初めてプログラミングを学習するのに最適というわけです。とはいえ、本書ではこのScratchを使ってAIを解説しようというのですから、「本当に大丈夫か?」と思われる人も少なくないかもしれません。しかし、同書の編集を担当した結果、ScratchだからこそAIをしっかりと学べるのだと実感したのです。

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