子供を預けて働きたいという女性が想定を上回り、追いつかなかったのが保育園の整備だ。20年4月時点の待機児童数は1万2000人。育児・家事と仕事の両立が簡単ではないという認識が広まる中、12年に1.41だった合計特殊出生率は7年で1.36に低下した。

各国は女性の登用を急ぎ、日本は遅れた。経済活動や政治への参画度、教育水準などから算出し男女平等の度合いを示すジェンダー・ギャップ指数の順位は、12年の101位から19年は121位と過去最低に落ちた。

政府は年内策定の第5次男女共同参画基本計画で指導的立場に立つ女性を「20年以降の早い時期に30%」とする調整に入った。8月末、橋本聖子・女性活躍担当相は「土台は構築されてきている。30%実現に向け、今まで以上のスピード感ではっきりとした形にしていく」と話した。

次期政権に変わっても歩みを止めてはいけない。女性登用に積極的な上場企業を選ぶ「なでしこ銘柄」の売上高営業利益率は、東証1部平均を上回っている。投資家は企業に対し、役員に女性を登用するよう求め始めた。多様性が革新を生み出し、危機管理能力を向上させることはもはや国際社会の常識だ。誰一人傍観者ではいられない。

(中村奈都子・女性面編集長)

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国会議員も3割に未達