株式投資の落とし穴 株主優待や高配当に目を奪われ…コロナの先の家計シナリオ ファイナンシャルプランナー 中里邦宏

2020/9/9
写真はイメージ=PIXTA
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新型コロナウイルスの影響で株式相場の将来が予測しづらくなっているなか、株主優待が充実していたり高配当だったりする銘柄は、ときに魅力的に映ります。ただ、ファイナンシャルプランナーの中里邦宏さんは「思わぬ株価の下落に遭遇し、本末転倒の状態にもなりかねない」と注意喚起したうえで、こうした銘柄のチェックポイントを伝授します。

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これまで株式投資を経験したことがない人から「株主優待を目当てに株式投資をしてもよいか?」といった質問を受けることがよくあります。現在のようにコロナの影響で株式相場の予測が難しくなっているなかでも、それは変わりません。そして、よく話を聞いてみると、「友人が株主優待の割引券を使い、一緒に食事に連れて行ってくれた」「株主優待の品が送られてきている知人のSNSの投稿を見て、うらやましいと思っていた」など、もともと身近な経験から株主優待に魅力を感じていた人が少なくありません。

株主優待はあくまで「お礼」

そもそも株主優待とは、企業が自社の株式を持っている株主に対し、お礼の気持ちとして様々なものを贈る制度です。株主優待として贈られるのは、自社製品や自社サービスに利用できる金券や割引券のほか、米やクオカードなど、そのバリエーションは目移りするほどです。

では、冒頭の質問のように株主優待を目的に株式投資をすることは果たしてどうなのでしょうか? 得策なのでしょうか? 結論から言えば、株主優待を目的とする株式投資も、もちろん「あり」です。

しかし、そもそも株式投資をするときの目的は何かといえば、投資した額に対する「利益」を得ることのはずです。その点、株主優待はあくまでもお礼として贈られるもので、株式投資の「プラスアルファ」の部分にすぎません。株主優待のメリット分以上に株価が下がって損をしては、本末転倒です。

まして、2月から続くコロナの影響から倒産などが起これば、投資した資金をほぼ失う事態にもなりかねません。そうした事態は最も避けたいところですが、それを避けるにはどうすればよいでしょうか?

最低限、財務状況はチェックする

その対策の一つが株を買う前に、その企業の最低限の財務状況だけはチェックしておくことです。もちろん、詳しく見るに越したことはありませんが、2つの項目は最低限、確認しておきましょう。チェックするといっても、ものの数分ですみます。

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