レノボ「アイデアパッド」 複数アプリ使うと動作鈍く
今回の目利き 森谷健一氏
クロームブックとは「クロームOS」というOS(基本ソフト)を搭載したノートパソコンやタブレットを指す。今回はクロームOSを搭載し、キーボードを取り外してタブレットとしても使える「アイデアパッド・デュエット・クロームブック」(レノボ)を紹介する。
クロームOSはリナックスをベースに、グーグルが開発した。ほとんどの作業を内蔵ブラウザーのクロームで行う。ウィンドウズなどではアプリの利用が必須だが、クロームOSではほとんど使わないので、セキュリティーと動作速度の点で有利だ。常時ネット接続を前提とし、CPU(中央演算処理装置)や搭載メモリーといったスペックが低くても動作するため、端末価格が安くできる。
本製品では、アンドロイド用アプリも使える仕組みを採用した。全てのアプリが動作するわけではないが、かなりの数が動作するようだ。
画面サイズは10.1型、IPS液晶を搭載。画面解像度は1920×1200ドットで、かなり見やすい。重量は本体のみで約450グラム、付属のキーボードとスタンドを加えると約920グラム。キーボードとスタンドがやや重いが、その分、キーボードの作りはしっかりしている。キーピッチは18ミリ、キーストロークは1ミリを超え、本体から分離するキーボードとしてはタイプしやすい。ただし、右端のキーは幅が狭く、慣れが必要だろう。キー配列は、特殊キーがウィンドウズとやや異なるので、戸惑うかもしれない。
気になるのは動作速度だ。電源オンからパスワード入力画面が表示されるまでにかかる時間は約5秒。パソコンやスマホよりずっと速い。ただ、複数のアプリを切り替えながら使っていると、数秒間反応しないこともあった。ウィンドウズ搭載の高速なノートパソコンと同じ使い方は難しいだろう。価格は大手家電量販店では4万円台半ば。コストパフォーマンスは非常に高いと言える。あとは自分の使い方に合うかが問題だろう。
(テクニカルライター)
[日経産業新聞2020年9月3日付]
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