広がる「コロナ疲れ」 ストレス多く在宅勤務で休職も産業医・精神科専門医 植田尚樹氏

画像はイメージ=PIXTA
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社員がいきいきと働き、高いパフォーマンスを発揮する職場をつくるには何が必要か。産業医として多くの企業で社員の健康管理をアドバイスしてきた茗荷谷駅前医院院長で、みんなの健康管理室代表の植田尚樹医師に、具体的な事例に沿って「処方箋」を紹介してもらいます。

「コロナ疲れ」「コロナうつ」という言葉が生まれるなど、新型コロナウイルスの感染拡大は、人びとの生活に色濃く影を落としています。それは思いも寄らぬところにも表れています。

4月の緊急事態宣言の発令で、テレワークによる在宅勤務が普及しました。在宅勤務は出社勤務に比べて自由度が高いため、当初は働き手への負荷が少ないと考えられていました。しかし、最近は在宅勤務が原因のひとつとなり、休職に至る事例が増えてきているように見受けられます。

実際、私も産業医として、在宅勤務によるメンタルヘルス不調を訴える人とオンライン面談することが多くなりました。会議に欠席したり、急に欠勤したり、業務日報を提出しなかったり――。上司がいつもと違う振る舞いに気づき、人事部を介して産業医による面談を求めることが多いようです。

症状はさまざまです。不眠、倦怠(けんたい)感、イライラ、落ち込み。怒りっぽくなったという人もいます。なかには面談で「体調不良で仕事が続けられません」「パソコンの画面を開くのが怖い」と訴える人もいます。

最大の要因は孤独感

さまざまな原因が考えられますが、最大の要因は精神的な孤立、孤独感だと考えられます。ひとり暮らしであれば、誰とも会わない日々が多くなります。毎日のように顔を合わせていた会社の同僚たちとの交流も途絶えがちとなります。こうしたなかでは、コロナ禍による将来への不安が増すばかりです。

感染防止として、密集、密接、密閉の「3密」回避もストレスとなります。外出時のマスク着用や手指の消毒、ソーシャルディスタンス(社会的距離)など、いろいろなことに気を遣わなければなりません。結果として、生活の自由が大きく制限されるのです。

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