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中国ティー専門店「奈雪の茶」 パンも合うフルーツ味

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日経クロストレンド

ポストタピオカティーの最有力候補と目されるフルーツティーの人気ブランドが続々と日本上陸を果たしている。中でも中国の若者から圧倒的な支持を得ているのが、中国・深圳(セン)発のティードリンクブランド「奈雪(なゆき)の茶」。大阪・道頓堀に日本1号店を開業し、早くも人気を集めている。

お茶文化を若者世代に広める

インバウンドの急増で活況を呈した大阪ミナミの道頓堀が、コロナ禍に見舞われて約5カ月。街からにぎわいがなくなり、人影もまばらになった目抜き通りに7月、「奈雪の茶」の日本1号店がオープンした。6月18日に総合免税店「ラオックス道頓堀店」がオープンし、奈雪の茶はその1階に入居。同ビルは以前、ファストファッションブランドとして人気を博した「フォーエバー21」が入居していたビルで、道頓堀の中でも超一等地だ。

店舗はガラス張りで、明るく、ぬくもりのある空間。ガラスウインドーには若い女性に受けそうな、カラフルな癒やし系キャラクターが描かれている。SNSでは流行に敏感な女性客の投稿が集客につながり、オープン初日は約600人が来店。以降、週末はテークアウトを中心に行列ができるほどの人気ぶりだ。

奈雪の茶は中国深圳発のティードリンクブランド。高品質な茶葉と季節のフルーツを掛け合わせたフルーツティーという新たなジャンルを開拓し、伝統的な中国茶のマーケットに風穴を開けた。

一番の特徴は茶葉へのこだわりだ。創業時に作り上げた自家茶園で、商品開発チームやお茶職人が世界中の茶園に足を運んで厳選した茶葉を栽培。無添加、無香料のオリジナル茶葉は8時間の水出しが可能で、18年には台湾の茶葉コンテストで入賞した。

高品質なお茶のうまみと深みを若い世代にも味わってもらうため、無添加の新鮮な果実と掛け合わせたフルーツティーを開発。季節のフルーツを使い、年間を通じて多彩なラインアップを展開している。道頓堀店ではいちごのショートケーキから着想を得た「いちごチーズティー」(アイス880円、ホット850円、どちらも税別、以下同)や、オレンジ2個分の果汁が入った「奈雪オレンジジャスミン」(アイス750円、ホット720円)、カクテルのように仕上げた「スパークリンググレープフルーツローズマリー」(680円)など、ジャスミン茶ベースのあと口が爽やかなフルーツティーをそろえた。

「中国も日本も、お茶を飲む文化が廃れつつある。奈雪の茶がメインターゲットとしているのは20~40歳の女性。お茶文化の継承と新たなライフスタイルを提案し、お茶の魅力を発信していきたい」と、運営を手掛ける中国の品道(ピンダウ)日本法人の黄華文副社長は話す。

ブランドコンセプトは「一杯のお茶と一口のパンの幸せな出会い」。ティードリンクと好相性のスイーツとして、低脂肪、低糖にこだわったヘルシーなパンも主力商品として提供する。人工添加物を一切使用せず、独自製法で高加水パンに仕上げたパンは、小麦の風味があり、柔らかくもちもちした食感が特徴だ。ドリンク、パンともにインスタ映えを意識したビジュアルとヘルシー志向で、日本でもミレニアル世代の獲得を狙っている。

ティー専門店初のユニコーン企業

奈雪の茶を展開する品道餐飲管理公司は15年11月、中国広東省深圳市で創業。2年後から中国全土に店舗拡大し、18年12月にはシンガポールに海外初出店を果たす。伝統的なお茶をモダンにアレンジして表現する企業姿勢が若者世代から支持され、新店オープンのたびに話題を集めてきた。

現在、中国50都市とシンガポールに直営店約360店舗を展開。19年11月、深圳・南山区のショッピングモール「海岸城」にオープンした「奈雪夢工場」は、店舗面積1000平方メートルもの広さだ。18年には資金調達により時価総額が60億元(約1000億円)を超え、ティー専門店初のユニコーン企業に認定された。20年度内には米国への進出も予定しているという。

中国ではチーズティードリンクでブレークした「喜茶」(ヘイティー)が奈雪の茶と人気を二分している。中国内に600店舗以上展開する喜茶も日本進出の噂があり、2大巨頭がそろえば、日本にも本格的なフルーツティーブームが到来するだろう。

そんな中、奈雪の茶が海外2拠点目に選んだのが大阪だ。その理由について黄副社長は「大阪はグルメの聖地であり、道頓堀は多くの人が足を運ぶ素晴らしい立地。国際事業部のゼネラルマネジャーが視察に来たとき、大阪の友好的な気風がブランドコンセプトにマッチすると話していた」と説明する。

海外ブランドが日本に上陸する際、マーケティング戦略の観点から1号店を大阪に出店するケースがたまにある。東京に比べてマーケット規模がコンパクトなため、話題になれば、一気に広まるからだ。価格や商品に対する大阪人のシビアな目も参考になる。

道頓堀はインバウンドに人気の観光スポットだが、黄副社長は「旅行客だけをフォーカスする商売は続かない。日本で長く発展していきたいので、外国人観光客ではなく、日本人をメインターゲットにしている」と強調。奈雪の茶が入るラオックス道頓堀店も免税店から日本人向けビジネスに転換している。

同社ではまず道頓堀店を軌道に乗せ、20年末をめどに東京にも出店する計画だ。さらに、5年以内に日本国内で100店舗の展開を目指している。新型コロナウイルス感染拡大の状況次第では計画の見直しもあり得るが、今のところ出店には意欲的。「本国では(感染拡大により)甚大な影響を受けたが、逆に好機と捉えている。日本でも今後、店舗物件の空きが増えるため、次の店舗を探しやすくなると思う」(同)。

積極的な出店計画の根拠となっているのが、デジタル化への取り組みだ。ECでの販売拡大とデータを活用した商品戦略を進め、オンラインとオフラインの融合を加速させていく。

デリバリーサービスで売り上げ確保

コロナ禍により、中国では全店1カ月の休業を余儀なくされた「奈雪の茶」。現在はほぼ通常営業に戻っているが、感染拡大防止策の一環として、中国の大手ECサイト「天猫(Tmall)」に公式オンライン旗艦店を開設した。お茶やギフト券、グッズの他、アーティストとコラボしたグリーティングカードも期間限定で販売。ECショップには1カ月で数千万人が訪れ、「Tmall」ではスターバックス、ケンタッキーフライドチキンに続く人気のケータリングブランドとなった。

さらに20年2月以降、配送料金を無料化。デリバリーアプリやWeChatミニプログラムでの注文に、非接触配達サービスも導入した。「中国ではデリバリーサービスがはやっている。デリバリーに特化したり、新商品を打ち出したりすることで、コロナ禍でも消費量を維持してきた。中国での成功例をいずれは日本でも取り入れていきたい」(同)。

マーケティング調査会社の富士経済(東京・中央)によると、日本のティースタンドカフェ市場は19年で前年比49%増の約249億円。タピオカドリンクブームの火付け役となった台湾の人気チェーン店を中心に店舗数が増え、日常的にティードリンクを飲むユーザーが増えているという。今後も市場拡大が期待される中、奈雪の茶のフルーツティーが日本でも若者をとらえ、けん引役になれるかどうかが注目される。

(文・写真 橋長初代)

[日経クロストレンド 2020年8月24日の記事を再構成]

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