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米津玄師がFORTNITEに登場 ゲーム空間でライブを体感

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バトルロイヤルゲーム『FORTNITE(フォートナイト)』は8月7日、同タイトル内でシンガー・ソングライターの米津玄師のバーチャルイベントを開催した。Zoom飲みや『あつまれ どうぶつの森』での結婚式や会社説明会など、人々の社交場としてオンライン空間に注目が集まる中、音楽イベントの新しい形として定着するか。実際に参加してみた。

新型コロナウイルス感染症流行の影響でライブやイベントの中止が続く中、配信サービスを利用したオンラインイベントが増えている。6月にサザンオールスターズが開催した大規模な無観客ライブはまだ記憶に新しい。3600円のチケットを18万人が購入し、推定視聴者数は50万人ともいわれる。普段は見ることのできない位置からのカメラワークや、ダンサーたちが客席に入り込んで踊るパフォーマンスなど、無観客ならではの演出で盛り上げた。

米津玄師が開催したバーチャルイベントもその1つ。ただ、バトルロイヤルゲーム『FORTNITE(フォートナイト)』内に配信の場を設けたのがユニークな点だ。

フォートナイトはユーザー登録者数が全世界で3億5000万人を突破した米エピックゲームズ(以下、エピック)の人気タイトルで、とりわけ10代を中心とした若年層からの支持が厚い。

フォートナイトには最後の1人になるまで生き残りをかけて戦う「バトルロイヤル」モードの他、戦闘要素のない「パーティーロイヤル」モードがある。ここは仲間と自由に遊んで過ごす場で、ゲーム内に設けられた特設ステージではDJライブや映画の上映会などのイベントも開催される。

パーティーロイヤルが実装されたのは2020年5月だが、フォートナイトはそれ以前から様々なアーティストとコラボイベントを実施してきた。20年4月に行われたラッパーのトラヴィス・スコットのバーチャルイベントでは、同時接続数1230万人という驚異的な記録も打ち立てた。

こうした限定イベントは、プレーヤーにとってゲーム仲間と一緒に盛り上がれる絶好のチャンス。フォートナイトはダウンロードや基本プレーが無料のため、「PlayStation 4」や「Nintendo Switch」といった家庭用ゲーム機、PC、スマートフォンなどを持っていれば、日ごろ、フォートナイトをプレーしない人やアーティストのコアなファンでなくとも気軽に楽しめる。今回、パーティーロイヤルでのイベントを日本人アーティストとして初めて実現したのが米津玄師というわけだ。

ゲームならではの没入感高める演出

そのイベントに筆者も参加してみた。フォートナイト内のイベントは、ゲームにログインすれば自動的に始まるわけではない。まずは会場となる「メイン・ステージ」まで、アバターを操作して移動しなくてはならない。面倒に感じるかもしれないが、自分の意思で自由に動き回れるからこそ得られる没入感があるのは確かだ。遠くから聞こえてくる会場内BGMの重低音は、さながらリアルな音楽フェスのよう。会場に近づくにつれて気持ちも高まっていく。

開始時刻の1時間前に到着したが、メイン・ステージ付近にはすでに他のプレーヤーたちが集まっていた。ログインしているユーザー全員が同一空間に現れるのではなく、その数は数十人ほど。サーバーの負荷を軽減するため、一定数ずつ振り分けられているものと思われる。満員のフェス会場のような熱気はないが、スペースに余裕があるので自由に動き回れた。

ここで先に触れておきたいのは、フォートナイトで行われるバーチャルイベントは、ライブ配信ではないということだ。メイン・ステージに用意された巨大なスクリーンで映し出されるのは、イベント用に用意された映像。それならYouTubeなどの動画配信サイトやアーティストのオフィシャルサイトで見るものと変わらないのでは、と思うかもしれない。しかし、ユーザー同士が同じ空間で体験を共有するのがフォートナイトにおけるパーティーロイヤルの目的。加えて、ゲームの世界観と一体化した演出も醍醐味になっている。

例えば、この日披露された楽曲は、TBS系ドラマ『MIU404』の主題歌である『感電』や、小中学生ユニットのFoorin(フーリン)が歌い、レコード大賞を受賞したことでも知られる『パプリカ』、米津の代表曲となった『Lemon』など全5曲。

『感電』が流れると遠くの空では稲妻が走り、『パプリカ』では鮮やかな紙吹雪が降り注ぐ。曲によってはサビになるとプレーヤーのアバターが自動的にジャンプさせられる仕掛けがあり、空中で開いたグライダーが会場を彩る演出もあった。映像をただ眺めるのとは違う、ゲームの空間を使ったアトラクションのようだ。

曲中に会場を動き回っていると、アバターの動きとゲーム世界での音の聴こえ方が連動していることに気づいた。メイン・ステージは浜辺にあり、スクリーンの真下は海。思いきって海の中へ飛び込んでみると、それまでの音響が嘘のように遠ざかった。本当に水中でライブを聴いているかのようだ。バトルロイヤルゲームにおける距離感が反映された音づくりは、もともとプレーヤーが敵の足音や銃声を認識するためのものだが、これによってバーチャルイベントの臨場感がぐっと増している。

MCでは米津本人が「待ってくれている人を残して、ばらばらになって、捨てざるを得なかったライブツアーに代わるものを探した結果、実験的にこういう形でライブをやってみようと、そう決断するに至りました」と、今回のイベントに挑戦した背景や参加者への感謝を伝える場面があった。こうした演出が挟まることで、「ライブに参加している」という実感がより湧いてくる。

Twitterを見ると、「息子がフォートナイトやっててよかった」「娘がLemon歌ってる」など、親のツイートと思わしきコメントが目立った。ユーザーの中には、ライブやフェスに参加しづらい年齢の子供やその親たちも多かったようだ。

ソニーがエピックに2.5億ドル出資

今回のバーチャルイベント開催の目的をエピックは現時点で明かしていないが、フォートナイトユーザーの拡大を狙っているのは確かだろう。米津のイベント目当てに初めてフォートナイトをダウンロード、ログインしたというユーザーは一定数いたはずだ。

さらにイベント開催期間中に同ゲームにログインしたユーザーには、米津の最新アルバム『STRAY SHEEP』にちなんだ「バナーアイコン」というアイテムがプレゼントされた。こうした限定アイテムは、イベント終了後もゲーム内で宣伝効果が維持できるのがメリットだ。

一方、音楽業界から見ても、映像配信プラットフォームとしてのゲームには期待感がある。というのも、情報量が多く、アクセスも集中しがちなライブ配信やバーチャルイベントでは、配信側の設備や視聴者側の視聴環境に映像品質が大きく左右される。パソコンやスマホ向けの動画配信プラットフォームでは、環境次第でタイムラグが生じたり、映像がかくかくとコマ落ちしたりすることも少なくない。

その点、常に世界中からユーザーが集まるオンラインゲームのプラットフォームと、高画質のゲームも処理できるゲーム機やゲーミングPCならば、処理能力は十分。ゲーム内には課金機能もあるので、会場内で楽しむグッズなどの"物販"をバーチャル空間で再現することも可能だろう。

事実、プラットフォーム化するフォートナイトの将来性に目を付けた企業もある。その1社がソニーだ。20年7月、ソニーはフォートナイトの運営会社であるエピックに2.5億ドル(約268億円)の出資を決定した。

これについて、ソニーの吉田憲一郎会長兼社長は、「『フォートナイト』ほど革新的なエンターテインメント体験の例は他にない」と絶賛。「ゲームの分野に限らず、急速に発展しているデジタルエンターテインメントの領域で、ユーザー、そして業界の皆様に喜んでいただけるような価値を提供していく」として、ゲームの枠を超えた協業に積極的な姿勢を見せている。

全世界から3億5000万人が集まり行き交うフォートナイトという空間が、バーチャルイベントの場として急成長する可能性は高い。

(ライター 大吉紗央里)

[日経クロストレンド 2020年8月26日の記事を再構成]

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