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「アイスの実」長梅雨でも売り上げ増 野菜味も新登場

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日経トレンディ

梅雨明けが関東甲信地方では8月までずれ込んだ今夏。アイス市場にとっては逆風が吹いた。データ調査会社のTrue Dataによれば、2020年7月の買物指数(来店客100万人当たりの売り上げ金額)は、18年7月の買物指数から約76%に落ち込んでいる。しかし、その中でも好調を記録したのが、江崎グリコの看板商品「アイスの実」と「パピコ」だ。20年5~7月のSRIの推計販売規模(金額)によると、アイスの実は前年比117%、パピコも106%にぞれぞれ売り上げを伸張させることに成功している。

両製品の販売戦略に共通するのは、コロナ禍に合わせて新たな食のシーンを開拓したことだ。そもそも感染症対策で人混みを避けるべく、買い物をできるだけ早く終わらせたいという気持ちが消費者の間で強まっている。売場をじっくり見て商品を選ぶことが減った結果、なじみのロングセラーブランドを手に取る人が増えた。さらにテレワークの普及により、仕事中に人目を気にせず間食しやすくなり、「何かをちょっと食べて気分転換したい」と考える風潮も強まった。同社はその変化に目を付けた。

知名度は抜群、ただ昔のイメージが崩せず

まずアイスの実は、そもそも一口サイズでリフレッシュできる点が売りだったことが、ぴったりと需要にはまった。「冷凍庫に常備しておき、仕事の合間に一粒食べるという新しい食べ方につながっている」とマーケティング本部アイスクリームマーケティング部の若生みず穂氏は分析する。

データ調査会社のTrue Dataの数字も、新たな食のシーン誕生を裏付けている。アイスの実については、20年6月の買物指数が前年に比べて約2.1倍に拡大。6月は夏の定番となっている「巨峰」「和梨」に加え、柑橘系の爽やかさが特長のピンクグレープフルーツ味の新商品を初めて投入したタイミングだ。目につきやすい色鮮やかなパッケージを採用し、同時期にプロモーションの方針を大きく変えたことが奏功したのである。

若生氏は、「『(アイスの実を)知ってはいるけど最近食べてない』という人が多いことが課題だった」と振り返る。12年にアイスの中身をとろりとした食感に改良したり、15年には2層構造の外側のコーティングアイスにも果汁を使って最後までフルーツの味を濃くしたり、これまで何度も改良を続けてきた。しかしながら、ロングセラーブランド故に、当初の「固い氷」というイメージを拭うことができなかったという。

そこで20年は消費者への訴求ポイントを、これまで押し出していたリフレッシュ効果ではなく食感に据えることにした。「ひやっとろ。」という分かりやすいフレーズを考案し、テレビCMでもアイスの断面図を大きく使って視覚的に訴えた。ぱっと見ておいしそうだと思った消費者は少なくなかったようで、「『久々に食べてみたら想像と違っていておいしかった』という意見が多くあり、新たなトライアル獲得につながった」(若生氏)。

若年層の心に刺さったユニークなウェブ動画

一方のパピコについては、メインターゲットである30~40代の女性ではなく、サブターゲットの10~20代男女のファンを広げる作戦に出た。20年4月から、SNSやウェブ動画を使ったコミュニケーション施策を積極的に展開。「2人で分けても、1人で食べてもいい」というパピコならではの特徴を生かした動画コンテンツ「ニコイチムービー」を自社サイトで公開した。2種類の縦長動画を使って1つのシーンとして演出するというもので、1人で順に見ても楽しく、2人で2台のスマホを並べてその場で同時再生するとさらに楽しくなる工夫を施した。

テーマソングには、女子中高生から高い支持を得ているコレサワを起用。さらに8月5日の「パピコの日」には、特別篇として人気お笑いコンビ「アインシュタイン」の2人が出演するスペシャルミュージックビデオも公開した。若年層の間で話題になるような仕掛けを次々用意したのである。

その上で、メインの30~40代女性に対しても今までにないアプローチで訴求したのもポイントだ。健康志向を意識して、野菜を使った「パピベジ」を20年3月に発売。1日の不足分とされる野菜62グラム相当をアイスで摂れる、今までにないパピコだ。

マーケティング本部アイスクリームマーケティング部の田中莉夏子氏によれば、「野菜不足を認識してはいるものの、日々忙しく何もできていない層にアピールする商品」として開発したという。商品自体は20~30代の有職女性をターゲットに据えていたが、実際には30~40代の子持ち有職女性の購入も多かったそうだ。「(巣ごもりによって終日)自分でいつも料理をすることになり、野菜不足を実感する人が多かった結果ではないか」(田中氏)。罪悪感なく食べられるアイスとして、今までとは異なる顧客層を開拓したわけだ。

野菜タイプはアイスの実でも本格展開している。もともと19年夏、老舗料亭の京都吉兆総料理長・徳岡邦夫氏が監修した「アイスの実<国産野菜シリーズ>」を一部百貨店や通販で期間限定販売した実績が同社にはあった。「ご褒美野菜ジェラート」として、店頭販売は当初計画を上回り、ギフト販売向けも予定より約1カ月早く売り切れた。この製品を、9月1日から全国のコンビニで販売している。

アイスの実とパピコ。抜群の知名度を誇る2つのブランドは、ロングセラーとしての安心感という強みに加えて、「食感」や「味」で斬新な取り組みにチャレンジし続ける企業姿勢が消費者の心にうまく刺さっている。長梅雨が終わり猛暑日が続く8月以降、ますますファンを増やしているに違いない。

(日経トレンディ 山口佳奈)

[日経トレンディ2020年10月号の記事を再構成]

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