氷川きよし 時には演歌界から脱線する「暴れん坊」に氷川きよしインタビュー(下)

日経エンタテインメント!

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氷川きよしがデビュー20周年に自身初のポップスアルバムを発表した。「ずっと変わりたいという思いはあった」「やりすぎと言われるくらいまで追い込まないと起爆剤にはならない」――。前回インタビュー「氷川きよし 自分にしかできない曲を、安泰よりは冒険」でそう話した氷川に新しいアルバムについて詳しく語ってもらった。

9月6日生まれ。2000年『箱根八里の半次郎』でデビュー。ミリオンセールスを達成した同曲をはじめ、特に股旅演歌と呼ばれるジャンルで名を馳せるが、歌いこなす楽曲は幅広い。これまで35枚のシングル(※配信限定曲を除く)を発表。インスタグラム @hikawa_kiyoshi_official(写真:小林ばく)

渾身の1stポップスアルバム『Papillon-ボヘミアン・ラプソディ-』の制作裏話あれこれを聞いてみよう。

「曲選びに関しては……やっぱり自分は、歌の真髄って詞だと思ってるんです。どういう言葉でどういう気持ちを伝えるのか。『この歌詞の一節が胸に響いたから生きていこうと思いました』と言ってもらえるような、人生を変えるような詞と歌声。そういうものを届けたいなって。自分もそうやって歌に感動させられてここまで来たので。

ですから『こういうサウンド、こんな曲調がいい』というのはもちろんありつつ、詞を読んで自分自身グッとくるかどうかを基準に選ばせてもらいました。

アルバムの構想を始めたのは1年前くらいかな。そのなかで『Papillon』という曲に出合い、これが表題曲になるなと。自分の狙いとして“見せ方”から変えようっていうのがあったから、20年を経てサナギから蝶になるという意味も、もっと羽を広げていくんだよという思いも含め、『Papillon』がぴったりきました。

で、サブタイトルには自分が感銘を受けた『ボヘミアン・ラプソディ』を。あの映画(クイーンの伝説を描いた同名映画)を見たとき、フレディ(・マーキュリー)の孤独にひどく共感して泣いちゃったんです。自分なりに彼に寄り添う気持ちで、人間としての彼の命を歌い継ぎたい、という熱い思いが湧きました。で、伝えるならそこはあえて日本語の歌詞で……と。(歌に出てくる)『殺しちゃった』相手はフレディ自身のことだとも思うし、今の時代だからこそ伝えるべきものだなと思ったし」

「ありのまま」と連呼するわけ

そうしてアルバムのテーマが固まり、他の曲もすべて詞のメッセージ性に重きを置いて歌い紡がれていった。

「そうですね。結果、どれもこれも『ありのまま』『あるがまま』『心のまま』って連呼してる(笑)。どんだけありのまま生きたいんだ! って自分でもツッコミましたけど(苦笑)、今の自分が一番伝えたいことはそこなんでしょうね。根が情熱家だから、トータルで聴いたときその20年分の熱がズッシリ重い! 1日半分ずつで聴いてもらったほうがいいかもしれません(笑)」

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