iDeCoどう変わる? 条件緩和で加入しやすく

からすけ 税金がかからない制度って、前に習った少額投資非課税制度(NISA)と似てるね。

イチ子 一般NISAやつみたてNISA(キーワード)は20歳以上が利用できるし、いつでも引き出せるけど、非課税なのは運用で得た利益の分だけなの。運用できる期間も異なるわ。イデコの掛け金は加入者が他にどのような年金に加入しているかなどによって、上限額が異なる点には注意が必要ね。

からすけ イデコに入りやすくなるって、どういうこと?

イチ子 今年5月の法改正で今後、主に2つの点が変更されるの。1つは加入できる年齢の上限。22年5月に60歳未満から65歳未満に引き上げられるわ。国民年金に加入し続けることが条件なので、例えば60歳以降も厚生年金に加入して働く会社員などが対象ね。

もう1つは企業型DCを採用する企業の社員が加入する条件を緩めることね。従来は会社と従業員で加入を認めるルールを作る必要があったけど、22年10月からは不要になるの。

高齢化で老後資金に不安を持ったり、働く期間を延ばしたりする人が増えているわ。働き方も多様化していて、多くの人が老後資金を準備しやすくするのが狙いね。

<キーワード>
国民年金 原則、国内在住の20歳以上60歳未満のすべての国民が加入する。原則65歳から年金を受け取れるが、加入者が子を残して亡くなったり、病気やけがで障害が残ったりした場合は現役世代でも受け取れる。自営業者は保険料を直接、会社員などは厚生年金が納める。

つみたてNISA 投資初心者などに利用しやすくした少額投資非課税制度(NISA)の一種。投資対象を手数料が安いなど長期投資に適した投資信託に限定する。株式や投信など幅広く投資できる一般NISAは2024年から大きく衣替えするが、つみたてNISAに大きな変更はない。
■老後の生きがいと資金
豊島岡女子学園中学高等学校の神谷正昌先生の話
古代ギリシャのトロイアの遺跡(現トルコ)を発掘したドイツのハインリッヒ・シュリーマンは、子どもの頃に読んだトロイア戦争の話に思いをはせました。貿易商として成功した後、40歳を過ぎてから資金を投じて遺跡を発掘。50歳を超えてついに発見に至ったといいます。
実はこの話の子ども時代の部分は後づけとされ、疑問視されています。ただ、事実でなかったとしても注目したいのは、シュリーマンの生きがい(発掘)と仕事(貿易商)が必ずしも一致していたわけではないということです。
現代は人生100年時代といわれています。若い人は老後の実感がわかないかもしれませんが、退職した後の人生は長く、そこにいかに生きがいを見いだしていくかが大切になってきます。老後を有意義なものにするには、資金を含め入念な計画をしておくことが必要でしょう。

[日本経済新聞夕刊2020年8月29日付]

注目記事
今こそ始める学び特集