『MIU404』主演の綾野剛 「少年マンガの成分で役作り」綾野剛インタビュー(上)

日経エンタテインメント!

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近年は映画出演が多かった綾野剛。6月からは、『ハゲタカ』(2018年)から約2年ぶりとなる主演連続ドラマ『MIU404』が放送されている。彼が演じるのは、警視庁の臨時部隊「第4機動捜査隊」に所属する、運動神経はピカイチだが刑事の常識に欠ける伊吹藍。ダブル主演の星野源がふんする、常に先回りして道理を見極める志摩一未とバディを組む。綾野は『MIU404』が自身に変革をもたらしているのだという。作品への思いと、現在と未来の自分について語ってくれた。上下の2回に分けてインタビューをお届けする。

1982年1月26日生まれ、岐阜県出身。03年に俳優デビュー。近年の作品は、連ドラ『コウノドリ』(15年、17年)、映画『楽園』(19年)など。主演映画『ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-』が11月に公開。21年に主演映画『ヤクザと家族 The Family』の公開を控える(写真:橋本勝美)

「先日、アメリカから(小栗)旬が電話をくれたんです。『俺が伊吹やりたい』って。あと(田中)圭からも『MIU404、めっちゃ面白い』と連絡が入って。2人とも同じ事務所だけど、お互いを認め合えている仲間から改めてそう言われると、うれしくてうれしくて。伊吹をやりたいなんて、最大の褒め言葉です。2人に背中を押してもらって、一段と気持ちが高ぶりました」

このインタビューの写真撮影で仕事現場を訪れた際、ハードスケジュールにもかかわらず、笑顔で話しかけてきた綾野剛。数々の受賞歴もあるトップ俳優で、17年のキャリアを持つ彼をここまで奮い立たせ、「転機になった」とまで言わせる作品が、現在星野源とダブル主演しているTBSの『MIU404』だ。

事件の初動捜査をする警視庁の「機動捜査隊」に、4つ目の架空の臨時部隊が作られたという設定。機動力抜群の“野性のバカ”である伊吹藍(綾野)と、自分も他人も信用しない理性的な志摩一未(星野)による“第4機捜”のバディが、数々の事件を乗り越えていく。野木亜紀子脚本、塚原あゆ子監督、新井順子プロデューサー、主題歌は米津玄師という、18年に高評価を得た『アンナチュラル』の座組。松下洸平、岡崎体育、渡辺大知といったゲストの面々や、菅田将暉が第3話以降に謎の人物として登場するなど、さりげない脇の出演者のインパクトも大きく、ここに集まる“熱”は、近年の新作ドラマで最高峰だと感じさせる。

まずはこの『MIU404』の話から。ドラマ撮影終了後の移動中の車の中から、リモートで取材に答えてくれた。

「伊吹という役に向かっていくための準備は…そうですね、警察や機動捜査隊ということでの職業的な役作りは特にしていません。どちらかというと、伊吹の精神や気持ちの強さをどう作っていくか。その1つとして、撮影がスタートする前から毎日少年マンガを読んでます。『ドラゴンボール』から始まり、今は『グラップラー刃牙』の次の次、『刃牙道』を読み終わって、『バキ道』に入ったところです。例えば『週刊少年ジャンプ』は、『友情」『努力」『勝利」が3大原則ですが、そんな少年マンガの成分だけで伊吹を作り始めました」

伊吹は感覚的なところで動く危なっかしさがある一方、純粋な心を持つ真っすぐなキャラクター。綾野のこれまでの役のイメージにはあまりなかった、ピュアな表情が際立ち、新鮮に映る。そして相棒となる星野源とは、産科医療をテーマにした『コウノドリ』で、ライバルかつ、信頼する同期の産婦人科医を演じた間柄だ。

「みなさんにとって伊吹がサプライズになったのならよかったです。僕自身、役者としてこれからも驚いていただける可能性を探していくきっかけにもなりました。

源ちゃんとは、命と寄り添う作品に共に向き合って、戦って、乗り越えた大切な仲間ですから、絶対的な安心感がある。そしてお互いに野木脚本を生きた経験があるという共通点(※)。この企画の相棒は彼しかいないです。『コウノドリ』の第2シーズンから約2年半たって、星野源という人がいろんなものに立ち向かったことが、この作品でアウトプットされてるような気がしてます。どうしてもインプットが少なくなる仕事ですが、『MIU404』でニュースタンダード、ニューバディを掲げてやっているなかで、現場や源ちゃんからもインプットできるものがたくさんあります。

(※)星野は連ドラ『逃げるは恥だが役に立つ』(16年)と、今年秋公開予定の映画『罪の声』で野木脚本を経験。綾野についてはインタビュー(下)で紹介する。

バディものの既視感、既存感、言ったらキリがありません。出尽くしてると正直に思います。だからこそ、新しいバディのモデルケースを作りたい。陰と陽、クールや情熱だけじゃなく、キャラクターという考え方から、人物という捉え方に我々も変化していくことが大切です」

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