水で発電するバッテリー 5年間の長期備蓄が可能

次に、ソーラー式充電器のように天候や使用環境に左右されず、確実にスマホを充電する方法を考えたい。手軽なのは、モバイルバッテリーを使うことだろう。ECサイトでは最新のスマホを約2回フル充電できる1万mAhクラスの製品が3000円程度で購入できる。しかしモバイルバッテリーは、何度も充電するとバッテリーとしての性能が劣化していく。また毎日充電するわけではないため、いざというときに満足に使えない怖さもある。

緊急用という視点で考えるなら、水で発電する非常用充電器が選択肢に入ってくる。例えば、素材メーカーの藤倉コンポジットの「アクアチャージ」(実売価格は5500円前後)は、マグネシウムを電極にしており、電解質となる塩水との化学反応で発電する優れもの。飲み水、お風呂や川の水など、どんな水でもコップ1杯分を用意できれば、即座にバッテリーとして動作をはじめ、スマホを充電できる。モバイルバッテリーのような経年劣化はないので5年間の品質保証が付くなど、安心感も高い。容量(発電量)は1万1000mAhの使い切りタイプだが、スマホ時代の非常用持ち出し品に加えたい一品だ。

藤倉コンポジットが開発した非常用モバイル充電器「アクアチャージ」
コップ1杯分(285ミリリットル)の水で付属の発電用塩を溶かし、そこに本体を沈めると充電地として動作する
容量は1万1000mAhでスマホ2台をフル充電できる
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家電も使えるポータブル電源