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街に賑やかに時を告げる 歴史刻むからくり時計10選

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NIKKEI STYLE

日本人に古くから親しまれてきたからくりを使った時計。時を告げる様子は見る者を魅了してやまない。おすすめのご当地からくり時計を専門家が選んだ。

1位 坊っちゃんカラクリ時計

(松山市) 580ポイント
温泉郷に夏目漱石の世界観

松山市といえば、道後温泉や夏目漱石の小説「坊っちゃん」の舞台として有名。時計は伊予鉄道「道後温泉駅」の近くにある。

通常は2段だが、笛や太鼓などのおはやしと共に屋根が上に伸びて内部から太鼓をたたく人形の階がせり上がる。土台からも湯あみ客を再現した階が出てきて計4段になる。「全体がせり上がる演出にダイナミックさを感じさせる」(宿野秀晴さん)

中央の2段では「マドンナ」や「坊っちゃん」など小説の主要人物が民謡調の音楽に乗って登場し、温泉郷の旅情をかき立てる。横倉和子さんは「名湯、道後温泉を有する松山の象徴的な場所となっている」と評価する。

「坊っちゃんの登場人物を網羅し、温泉まで出てくる世界観、地域感、愛着感、優しさの点で群を抜いている」(石川富弥さん)

(1)からくりが動く時間帯 午前8時から午後10時までの毎正時。土日祝日、年末年始、5月の連休、3、4、8、11月は30分ごと(2)悪天候時の稼働 雨天稼働(3)問い合わせ 松山市観光・国際交流課(089・948・6558)

2位 セイコーマリオンクロック

(東京都中央区) 570ポイント
ブーム先駆け、有楽町の待ち合わせ

日本初の本格的な大型からくり時計として1984年、JR有楽町駅近くの商業施設「有楽町マリオン」の壁に設置された。これがきっかけで全国的なからくり時計ブームが起こった。当時は半導体や工業用ロボットなどの技術が日本を経済大国に押し上げた時期で、このからくり時計もこうした技術の結晶だった。石川さんは「日本のからくり時計の父であり母である」と歴史的意義を強調する。

時間になると時計がせり上がり、童話をイメージしたメルヘンチックな4体の人形が登場。ファンファーレを合図に「キン・コン・カン」と金管を軽やかにたたき、軽快なテンポのオリジナル曲を演奏する。クリスマスや正月の特別バージョンも。40年近くたった今も有楽町の待ち合わせ場所として色あせない。

川村文乃さんは「見た目が懐中時計みたいでおしゃれ。お金がかかっていて豪華」と指摘。河野まゆ子さんは「個人的に最も愛着があるからくり時計。携帯電話がない時代、待ち合わせ時につい見上げた」と懐かしむ。

(1)午前10時から午後10時までの毎正時(2)雨天稼働(3)セイコーホールディングス・コーポレートブランディング部(prdeptj@seiko.co.Jp)

3位 白い恋人パーク「からくり時計塔」

(札幌市) 490ポイント
パーク内360度から見渡せる

北海道を代表する銘菓にちなんだテーマパーク「白い恋人パーク」内の時計塔にある。「北の国」に住むという設定の動物の人形が「チョコレートカーニバル」と呼ばれるにぎやかなパレードをオーケストラのコミカルな演奏に乗って披露する。「周囲360度から見渡せる演出が、買い物疲れの客や子どもにいやしの時間を与えている」(杉井俊夫さん)

からくりの演出の途中では、施設の中庭にシャボン玉を飛ばすなど、園全体でからくりを盛り上げるのも見どころ。「広場の施設全体を使った多彩かつ大規模なからくりは楽しく、見応え十分。お菓子屋さんならではのテーマ性もしっかり感じられる」と竹内秀一さんは評価する。

末松良一さんは「多彩な演出で子どもから大人まで楽しめるのはいい」と評価する一方で、からくりならではの「動きの不思議さがあればなおいい」と指摘する。観覧は無料。

(1)コロナ禍により施設は営業時間短縮中。午前10時から午後5時までの毎正時(2)強風・悪天候時は休止の場合も(3)白い恋人パーク(011・666・1481)

4位 花巻駅前「銀河ポッポ」

(岩手県花巻市) 430ポイント
宮沢賢治の作品を表現

花巻出身の童話作家、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」がモチーフで、花巻駅前の商業ビルに設置。賢治作曲の「星めぐりの歌」の旋律とともに主人公の少年や鳥捕りなど、物語のキャラクターが登場する。銀河鉄道の列車も周回し、不思議でメルヘンチックな賢治の世界に誘う。夜は天空の星座が輝き、いっそう幻想的になる。

岸川研一さんは「建物と造形、演出、照明、音響が調和している」と指摘。坂本典生さんは「絵本のようなレリーフ(浮き彫り)調は造形が細かく、人形の動きの変化も大きくて楽しい」と評価する。

(1)午前10時から午後10時までの毎正時(2)強風時は休止(3)元来社(0198・22・4412)

5位 愛・地球博記念公園「日本の塔・月」

(愛知県長久手市) 410ポイント
東儀秀樹さんの雅楽演奏

2005年に開催された「愛・地球博」会場跡地の公園に立つ、三日月形モニュメントの中に仕掛けられている。定刻に正面扉が開き、雅楽奏者の東儀秀樹さんの演奏で3体の童子が歯車を回し、面かぶりをして人間の普遍的な営みを表現する。人形は故夢童(むどう)由里子さんの制作。

「モニュメントとからくりの一体感が美しい。夢童さんと東儀さんのコラボレーションは和風からくり時計の極致」と石川さん。河野さんも「完全に大人向けの作品。芸術性が極めて高い」と評価する。

(1)午前11時から午後3時までの毎正時(2)雨天稼働(3)愛・地球博記念公園管理事務所(0561・64・1130)

6位 はりまや橋前「からくり時計」

(高知市) 390ポイント
よさこい節でご当地紹介

高知の観光名所「はりまや橋」の近くのビルに設置。よさこい節にのって(1)高知城(2)よさこい節の踊り子(3)はりまや橋(4)坂本龍馬像で知られる桂浜――という観光ポイントを紹介する。

「ご当地物をふんだんに盛り込んでワクワクさせる」と安田清之さん。「地域性をさらに出したければカウベル(鐘鈴)より鳴子(よさこい踊りの道具)がよかった」と石川さん。はりまや橋は長さ約10メートルと短い。拍子抜けする観光客もいて、からくり時計が補っているとの指摘も。

(1)午前9時から午後9時までの毎正時(2)風速15メートル以上か1時間雨量30ミリ超で休止(3)高知市観光振興課(088・823・9457)

7位 久留米駅前「からくり時計」

(福岡県久留米市) 360ポイント
地元発明家の偉業が題材

久留米出身の発明家で「からくり儀右衛門(ぎえもん)」「東洋のエジソン」の異名をとった田中久重が題材。定時になると久重の人形が現れ「万年回転独楽(こま)」や和時計の最高傑作とされる「万年時計」など自作を身ぶり手ぶりで解説する。「絶えずからくりのどこかが動いていて飽きない」(坂本さん)

岸川さんは「地元の人がからくり儀右衛門の偉業を誇りに思える親しみやすい作品」とモニュメント性を評価。末松さんは「見る者にものづくりへの興味を抱かせるインパクトがある」。

(1)午前8時から午後7時までの毎正時と30分(2)雨天稼働。風速10メートル以上の強風時は休止(3)久留米市観光・国際課(0942・30・9137)


8位 岡崎公園時計塔

(愛知県岡崎市) 290ポイント
徳川家康の人形が能舞

岡崎生まれの徳川家康が題材。鼓の音とともに時計が開き、家康の人形が能を舞う。扇をもった手や足がスムーズに動いて複雑な所作を表現。瞬時に能面を顔にかぶせ、外す動作に伝統技術が見て取れ「人形一体だけの演出なのに仕掛けが面白く、飽きない」(安田さん)。

河野さんは「関節を巧みに使う能の再現度が高く、大人には見応えがある」。杉井さんは「伝統的なからくり人形のイメージを損なわずにハイテクを使っている」と評価する。

(1)午前9時から午後6時までの毎正時と30分(2)雨天稼働。風速10メートル以上で自動停止(3)三河武士のやかた家康館(0564・24・2204)

9位 浜田駅前「どんちっち神楽時計」

(島根県浜田市) 260ポイント
迫力ある石見神楽の「大蛇」

浜田の伝統芸能、石見(いわみ)神楽の人気演目「大蛇(おろち)」がモチーフ。舞台がせり上がる3層構造で、1階ではおはやしの演奏を再現。2階の神楽殿と3階では笛や太鼓の勇壮な響きに乗って武者がオロチ退治を演じる。オロチの頭を切り落とす場面もあり「伝統芸能を迫力ある時計に仕上げている」(川村さん)。

「どんちっち」とは子どもたちが石見神楽をそう呼ぶことにちなむ。坂本さんは「人口5万人強の自治体がこれほど大規模なからくり時計を造ったことが驚き。応援したくなる」と評価する。

(1)午前8時から午後9時までの毎正時(2)雨天稼働。強風時は休止も(3)浜田市観光交流課(0855・25・9531)


10位 唐津城前「時の太鼓」

(佐賀県唐津市) 150ポイント
江戸時代の絵図から再現

唐津城から西に約500メートル離れた公園の中にあり、高さ8メートルほどの鐘楼にからくりが仕掛けられている。江戸時代の唐津城内で「時之(の)太鼓」などと呼ばれていた櫓(やぐら)を当時の唐津藩絵図を基に再現した。定刻になると、ドンドンという太鼓の音とともに扉が開き、武士の人形が前にせり出してきて太鼓を打ち鳴らし「時」を告げる。

「日本人は千年以上、太鼓や鐘の音で時刻を知った。城内にとけ込んだ櫓太鼓が素晴らしい」と末松さん。江戸時代は人が太鼓をたたいた。当時の情景が目に浮かぶような演出だ。

(1)午前7時から午後9時まで毎正時(2)雨天時も稼働(3)唐津市都市計画課(0955・72・9250)

山車からくり、多くが愛知に

「からくり」という言葉は江戸時代に普及し、時計、織機など機械装置全般を指すようになった。からくり人形の不思議なしぐさは機械への素朴な憧れを庶民に植え付け、日本人のものづくり精神の礎を築いたとされる。

時計が希少だった当時、庶民にとってからくりといえば、山車にからくり人形を載せた「山車からくり」や舞台からくりを指した。山車からくり祭りは80カ所ほど残るが、多くが旧尾張藩が治めた今の愛知県に集中している。

きっかけは徳川家康の三周忌として17世紀に始まった「名古屋東照宮祭」。徳川御三家の筆頭だった尾張藩の歴代当主はこの祭りを奨励。山車からくりは祭り最大の呼び物だったという。

「庶民が『おらが町にも!』として始まったのが、今の愛知県犬山市や半田市をはじめとする山車からくり祭り」と名古屋大学の末松良一名誉教授は説明する。トヨタ自動車など日本を代表するメーカーが愛知周辺に多く立地するのも、からくりの伝統と無縁ではない。

ランキングの見方

 からくり時計の名前(所在地)。ポイントは11人の専門家の評価を点数化。(1)からくりが動く時間帯(2)悪天候時の稼働の有無(3)連絡先。写真は1位棗田将吾、2位三浦秀行撮影、ほかは所有者または管理者が提供。

調査の方法

 時計メーカーの協力により国内の主要な屋外型からくり時計を25カ所リストアップ。「ランドマークとしての存在感」「からくりの世界観の充実度」「メカとしての完成度」の3つの観点から専門家が1位から10位までを順位付けし、編集部で集計した。

今週の専門家

 ▽石川富弥(石川商事代表)▽川村文乃(正美堂代表)▽岸川研一(乃村工芸社・チーフデザイナー)▽河野まゆ子(JTB総合研究所・地域戦略部長)▽坂本典生(夢童アート・からくりモニュメント制作担当)▽宿野秀晴(メディコ・テック代表)▽末松良一(名古屋大学名誉教授)▽杉井俊夫(杉井デザイン代表)▽竹内秀一(日本修学旅行協会理事長)▽安田清之(ヤスダモデル社長)▽横倉和子(日本旅行総研研究員)=敬称略、五十音順

(生活情報部 木ノ内敏久)

[NIKKEIプラス1 2020年8月29日付]

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