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ふるさと納税に落ち着き 返礼品規制で寄付先分散

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NIKKEI STYLE

ふるさと納税が落ち着きを見せ始めました。2019年度は寄付額が4875億円とやや減少する一方、3分の2の自治体は前年より増収になりました。返礼品競争に法規制が導入された結果、突出する自治体が影を潜め、寄付先の裾野が広がった形です。最高裁が一部を違法と判断した返礼品規制ですが、ふるさと納税を正常化させる効果は出ているようです。

お得感のある返礼品で毎年3~4割の高い伸びを見せてきたふるさと納税は、5000億円規模まで膨らんで転機を迎えたといえるでしょう。ふるさと納税に詳しいニッセイ基礎研究所の高岡和佳子主任研究員は「これまでのようには増えていかない。伸び代はまだあるだろうが、上限に近いところまで来ている」とみています。

寄付額が頭打ちになるなか、寄付先は分散がうかがえます。全国1741市区町村に47都道府県を合わせた1788自治体のうち、前年より増収になったのは1226を数えました。

特に2倍以上に伸ばした自治体は445と全体の4分の1に上ります。6倍近くになった神奈川県海老名市や千葉県君津市のように、これまで流出の多かった都市部でも力を入れるところが増えてきました。

ふるさと納税が増えても自治体への地方交付税は減りません。返礼品などの費用は寄付額の5割以下で半分は自治体に残ります。企業誘致で税収を増やすより有利なため、小さな自治体にとっては貴重な財源です。

19年度の寄付額をみると、18年度の税収より多く集めた自治体が全国で34ありました。北海道が14、九州が12、和歌山と高知が3、長野と静岡が1。いずれも豊かな海産物や農畜産物を返礼品に生かしています。

イクラが人気の北海道白糠町は税収9億5千万円に対し、ふるさと納税で7倍の67億円を集めました。鹿肉もテレビドラマの食材に使われ、知名度アップにつながっています。九州では肉やウナギで知られる宮崎県都農町が税収の5倍を超す寄付を集めました。

寄付分散の傾向はあるようですが、魅力的な返礼品のある自治体が有利なのは確かです。特産品の乏しい地域は不満でしょう。しかし、それも地場産品を磨く地道な努力があってのことで、ふるさと納税がその努力を花開かせた形です。返礼品で誘致企業の製品が人気のところも誘致努力の成果といえます。

返礼品の乏しい自治体は地域を見つめ直し、魅力を再発見するのが第一です。それが難しいなら、ほかに増収の道を探すべきでしょう。ふるさと納税はあくまで収入を増やす手段の一つにすぎないのです。

高岡和佳子・ニッセイ基礎研究所主任研究員「高額納税者優遇は見直しを」

ふるさと納税はこれからどうなるのか。制度に詳しいニッセイ基礎研究所の高岡和佳子主任研究員に聞きました。

――ふるさと納税が減ったのは、返礼品の額を寄付額の3割を上限にする法規制の導入の影響が大きいでしょうか。

「法規制の影響については2つの観点がある。3割を上限にしたことで、利用者にメリットがなくなったから寄付が減ったということはない。一方で影響があったのは、規制前の駆け込み需要だ。ふるさと納税の集計は年度。泉佐野市などが規制の始まる前に集めておこうと、2019年1~3月にキャンペーンを張ったので、1~3月の寄付が増え、18年度分に回った。それで19年度分が若干減った」

「ただ、増加率は鈍化しており、これまでのようには増えていかない。伸びしろはまだあるだろうが、上限に近いところまで来ている」

――お得感を競う返礼品競争は落ち着いたといえるでしょうか。

「返礼品の問題は3つある。自治体が寄付額のほとんどを返礼品につぎ込めば、財源の増収効果が少ない。この部分は3割の上限をつけることで支出を抑える効果がある。もう1つは自治体間の公平性の問題だ。1つの自治体が返戻率を高めるとそこに寄付が集中してしまうが、それも抑えられる」

「一方で納税者間の公平性はどうか。所得税率が高い人ほど、多く使えるところは変わっていない」

――高額納税者ほどメリットがある点は見直すべきでしょうか。

「ふるさと納税をすると、今は住民税と所得税が控除される。所得税は累進課税が逆に効いて、ふるさと納税できる額が指数的に増えており、その増えすぎる部分は見直すべきだ。控除の対象を住民税だけにすれば、不公平感はなくなる」

――今の制度では、寄付で税収が増えた自治体も、それによって地方交付税が減ることはありません。この点を見直す必要はありませんか。

「ふるさと納税の3つの理念の1つに、自治体に競争原理を入れるというものがあるので、それは構わないと思う。一方、税収が減った自治体に補填される制度については、地方交付税の不交付団体には補填されない。補填される自治体と補填されない自治体があるのは気になる」

――全体は減りましたが、3分の2の自治体が寄付額を増やしました。寄付先の裾野が広がってきたと言えるでしょうか。

「裾野が広がってきたと言えなくもないくらいだと思う」

――魅力的な返礼品のある自治体と、ない自治体の差は解消しがたいですか。

「返礼品が魅力的かどうかもそうだが、寄付先を探すのもコストがかかる。手間暇かけてさらに良いよいところを探すのはなかなか難しい。そうすると、以前に寄付したところとか、ランキングで人気の高い自治体などに集中してしまう。それはどうしようもないと思う」

――ふるさと納税を新型コロナウイルス対策に活用する自治体や被災した自治体のように、使い道で寄付先を選ぶ動きに広がりはみられますか。

「熊本地震や東日本大震災では被災自治体にかなり流れており、PCR検査の充実に使う世田谷区にも寄付が集まっているのはよい話だと思う。ただ、ふるさと納税全体からみれば小さい。結局、返礼品の返戻率の高いところに集まっている」

「コロナ対策では東京都が一番大変だが、東京都はふるさと納税に参加していないので、東京都にふるさと納税をしても税控除はされない。こういうこともあるので、制度に参加しておいた方がよいのではないか」

(編集委員 斉藤徹弥)

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