リモートに最適 楽ちんきれいなウエストゴム・パンツ
宮田理江のおしゃれレッスン
リモートワークの画面には、意外にボトムスが映り込む瞬間があります。自宅では楽に過ごしたいという本音にこたえてくれるのが、ウエストにゴムを配したパンツです。従来のウエストゴムのパンツは、カジュアルなデザインが多かったのですが、最近はスタイリッシュなデザインパンツも登場しています。ベルトレスの快適さは格別なので、自宅での仕事もはかどりそうです。
今回はウエストゴムを配したおしゃれパンツの元祖ともいえる、「MIKAKO NAKAMURA(ミカコ ナカムラ)」ブランドの中村三加子氏が手がけるデイリーライン「M・fil(エムフィル)」の2020-21年秋冬コレクションからおすすめルックをピックアップ。リモートワークにも役立つ、秋のパンツコーデのコツを紹介します。
レッグラインをクールに引き立てるトップスのバランス法則
すっきりしたシルエットのパンツは、上半身でシルエットのバランスを強調する着こなしがおすすめです。ボリュームやディテールに特徴のあるトップスを引き合わせると、対比が生きて、さらにレッグラインがシャープに映ります。
深いグリーンがナチュラル感を帯びたスティック系パンツに合わせたのは、バルーンフォルムのブラウス。量感の食い違いがコントラストを際立たせました。トップス裾のリボンが垂れ下がり、パンツにフェミニンなアクセントを添えています。
上下で別々の柄をあしらうと、装いに動きが加わります。あっさりして見えがちな残暑シーズンのコーデを華やがせやすいアレンジです。
チェック柄のパンツはトラッド感を帯びて、マニッシュな着映え。グラフィカル柄のボウタイブラウスを添えて、「柄×柄」の印象的なコーデに整えました。パンツのベルトのように見える黒ゴムが伸び縮みするから、ウエストは楽々。こちらのルックのように、異なる柄同士でも、直線的な柄を選べば、キリッとした雰囲気にまとまるので、お仕事ルックにも取り入れやすいでしょう。
ふくらはぎ丈ぐらいのクロップドパンツに、ボリューミーな羽織物をかぶせることで、腰から下の細感が一段と引き立ちます。シックな黒のパンツを選べば、アウターに鮮やかな色を迎えやすくなります。
パンツの正面にきちんと折り目(クリース)のついたセンタープレスのパンツは脚線をきれいに見せてくれます。お仕事仕様にふさわしい「きちんと感」も十分。ピンクの裾広がりコートを重ねて、パンツのコンパクト感を引き出しました。オーバーサイズのシャツやニットなどでも、量感を生かしたスタイリングを試せます。
コーデに悩む必要なし 「リモ映え」セットアップのまとい方
スーツほどは堅苦しく見えにくい、上下がそろいの「セットアップ」がファンを増やし続けています。スーツと違って、ブラウスとボトムスをそろえるバリエーションもあって、パンツルックに生かしやすいのも、人気の理由です。
ブラウスと同じしなやかな素材のセットアップなら、気負わないムードに仕上がります。統一感が生きて、オンライン会議の画面でも様になる「リモート(リモ)映え」が期待できます。サックスブルー(淡い青)のセットアップは、知的な雰囲気をまとい、ビジネスシーンにもなじみます。ウエストゴムがやさしく腰回りを押さえてくれるので、朝から着続けても窮屈に感じにくく、リモートワークでもストレスフリーで過ごせそうです。
秋から先はブラウス・セットアップの上から、ジャケットやコートを重ねるコーデが役に立ちます。縦落ち感を強めるには、ロング丈のアウターが効果的です。
センタープレスをきっちり効かせたパンツに、膝丈のコートを重ねて、縦長イメージの相乗効果を生んでいます。コーデに頭を悩ませずに済むセットアップは、忙しい朝の「時短」メリットが大。コートも同系色で合わせて、穏やかなワントーンコーデに。セットアップとコートの素材をずらして、ニュアンスを帯びたスタイリングに整えました。
ブラウス・セットアップの装いでは、あえてアウターだけ色をずらして、上下のまとまりを引き立てるコーデも選べます。その場合、前を開けて着ると、上下のコンビネーションが引き立ちます。
ぬくもりを感じさせる風合いのウールパンツは秋らしい装いにぴったり。ゆったりしたバギーシルエットで、伸びやかな着映えに。ホールド感が頼もしいウエストゴムに、トップスの裾を収めれば、脚がさらに長く映ります。涼やかなライトブルーのダッフルコートを羽織って、テイストのまとまりすぎを避けるのが、ありきたりの秋冬ルックから抜け出すポイントです。
スカートライクなたおやかパンツは「優美×動きやすさ」の両立
パンツの動きやすさと、スカートのたおやかさを「いいとこ取り」した新顔パンツは、空気をはらむ優美な表情でありながら、スカートと違ってめくれ上がる心配がありません。フェミニンなムードをまといながら、スイスイ歩ける快適な着心地です。
ライトブルーの揺らめくフレアパンツは、まるでスカートのよう。ふんわりした袖のボタニカル(植物)柄ブラウスと合わせて、のどかでロマンチックな着映えに。たっぷりしたボリュームが袴(はかま)のようで、足さばきは楽々。ブラウスのウエストリボンで大きめの結び目をこしらえれば、くびれを演出できます。
ほとんどスカートと見分けがつかないフレアパンツは、自在の着こなしを選べます。あでやかな柄・模様を配して、装いを主役に位置づけるのが賢いコーデです。
ドラマチックな総柄パンツですが、モノトーンがさえてモダンな印象に。トップスも同じように同系色でまとめ、全体をシックに落ち着かせています。ウエストゴムがベルトのように腰周りをすっきりと引き締めました。ブラウスをウエストインしても絵になります。
スカートのような見た目のパンツを組み込んだセットアップも登場しています。パンツとスカートの表情を兼ね備えるので、着ていく場面を選びません。
適度な張り感のある生地で仕立ててあるタイプを選べば、シルエットに立体感が備わり、ボディーラインをぼかしてくれます。セットアップならではの統一感がレディーライクな雰囲気を寄り添わせました。ほどよいゆとりがストレスフリーな着心地に導いてくれます。
リモートワークにメリットが多いウエストゴム・パンツ
「エムフィル」の人気アイテムである、ウエストがゴムのパンツ「イージートラウザーズ」は登場から10周年を迎えました。やさしい着心地ときれいなフォルムが両立しているのは、腰周りに自然とフィットするゴムのおかげです。「リラックス×きちんと見え」を実現したパンツの登場は働く女性を喜ばせました。フォーマルにもデイリーにも着回しやすいところも支持が広がっている理由です。
ウエストゴム・パンツはベルトに比べて圧迫感が小さく、長時間のリモートワークでも、窮屈に感じにくい重宝アイテムです。トップスの裾をしっかりホールドしてもらえるから、裾のアレンジが自在。黒いベルト状の見せる演出は、引き締まったウエストを印象づけてくれそう。パンツタイプのバリエーションが広がっていて、「楽ちんできれい」という欲張りな気持ちを応援してくれます。
エムフィル
https://mfil.jp/
ファッションジャーナリスト、ファッションディレクター。多彩なメディアでランウェイリポートからトレンド情報、スタイリング指南などを発信。バイヤー、プレスなど業界経験を生かした、「買う側・着る側の気持ち」に目配りした解説が好評。自らのテレビ通販ブランドもプロデュース。セミナーやイベント出演も多い。 著書に「おしゃれの近道」「もっとおしゃれの近道」(ともに、学研パブリッシング)がある。
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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