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経営トップに意思決定を促すスキルを深掘りする

経営トップに意思決定を促すスキルを深掘りする

「経営参謀」という言葉をビジネスシーンでしばしば目にするようになった。世の中が「乱世」に突入したことを象徴しているのかもしれない。今回紹介する『プロフェッショナル経営参謀』は、ボストン コンサルティング グループ(BCG)の日本代表が「優れた経営参謀」を語った一冊だ。将来、経営層を目指す意欲的なビジネスパーソンに是非一読をお勧めしたい。

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杉田浩章氏

杉田浩章氏

著者の杉田浩章氏は東京工業大学工学部卒、慶応義塾大学経営学修士(MBA)。ボストン コンサルティング グループの日本代表に就いています。デジタルトランスフォーメーション、新規事業開発、事業構造改革、組織・ガバナンス改革、マーケティング戦略策定・実行支援、営業改革など幅広い分野をカバー。BCGグローバルではハイテク/通信/メディア分野に関するエキスパートグループなどでコアメンバーとしても活動しています。国連世界食糧計画(WFP)協会理事を兼務。主な著書に『リクルートのすごい構"創"力』『BCG流戦略営業』があります。

経営層に意思決定を促す

「参謀」とはどういう立場の人を指すのでしょうか。広辞苑によると(1)高級指揮官を補佐して作戦・用兵その他一切の計画・指導にあたる将校(2)転じて、計画・作戦を立てる人と説明されています。前者は「参謀本部」「参謀総長」など軍事関連で多く使われます。後者の用例には「選挙参謀」があります。

経営参謀の仕事について、著者の定義を見ましょう。「経営にとって今最も重要な問いを設定し、解くべき課題を見極め、議論の材料を経営層に突きつけて意思決定を迫ること」とあります。自らがトップであるかのように「正しい問いとは何か」を考え、経営の意思決定を自分ごととして仕事を組み立てていく役割なのです。

これは一般的なイメージ、つまり「参謀は上からのオーダーを受けて仕事をこなすのが役割だ」とする考え方とは多少異なります。著者があえて、企業の意思決定に影響を与えるという重いミッションを経営参謀に与えるのはなぜでしょうか。それは、優秀な参謀を必要としている企業トップの多くが「自分とは異なる視点を持ち、こちらの頭を刺激してくれる人材がほしい」と考えているからです。本書は経営参謀とは何かを定義したうえで、優秀な参謀に必要なマインドセットや資質、スキルについて解説していきます。

読者のターゲットは経営層だけではありません。「自分も経営層を目指しているのであれば、なおさら参謀の仕事は早く経験しておくべきだ」と説く著者は、若手ビジネスパーソンも想定しています。

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