女性校長を増やせ 残業減らし、管理職試験の改革も

今里小学校の山口校長は「女性教員の働き方にも配慮したい」と話す(大阪市)
今里小学校の山口校長は「女性教員の働き方にも配慮したい」と話す(大阪市)

子供に身近なリーダー、校長に女性を推す動きが広がり始めた。2018年の経済協力開発機構(OECD)調査で日本は小学校と中学校長の女性割合が最下位クラス。事務や部活動など長時間労働を見直して女性が就きやすくし、多様な社会の早期実現を目指す。

「母が近所に住んでいたからできたけど……」。東京都日野市立三沢中学校の石村康代校長は振り返る。小学生の息子を抱えた約14年前、管理職になった。特に副校長時代は「保護者対応や会議に追われる毎日だった」。

OECD調査では中学校長の女性比率は7%で調査30カ国地域中最下位。平均47%と比べ大差がついた。女性管理職が増えないのは家庭との両立が難しいためだ。特に教頭の労働時間が長い。国立女性教育会館(埼玉県嵐山町)が実施した調査では1日の平均的な在職場時間が12時間以上の教頭、副校長は小学校で75%、中学校で81%だった。

校長になるには教育委員会が実施する管理職試験を受けたのち、教頭として実績を積むことが多い。業務は校長補佐から保護者対応、事務に至るまで多岐に及ぶ。生徒のためにと残業をいとわない「聖職意識」のあまり「本来効率化できるはずの作業に追われることも多い」(国立女性教育会館の飯島絵理研究員)。

部活動も一因だ。管理職試験は校長の推薦を受けた教員が受験するのが一般的だが「部活動に熱心な教員が評価されがち」(飯島氏)。家事や子育てを理由に担当できないと不利になる。小学校(18年の女性比率23%)と比べ、女性登用が進まない理由だ。

現状を変える動きはある。佐賀県多久市は田原優子教育長が推進役となり、残業時間の削減に取り組む。自身も2児の母だ。「教員時代は忙しさのあまり泣いたこともあった」と働き方改革の必要性を説く。

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