小さな不満もすぐ解消 現場の課題を把握、上司の務め日本ガイシ 大島卓社長(下)

成長のためにルールはどんどん変える

――新型コロナウイルスで組織運営に影響はありましたか。

「コロナ禍の前から、役員会で紙を廃止するなど、ルールはたくさん変えてきました。(定型的な事務処理を自動化する)RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)や、在宅勤務も徐々に進めてきましたが、むしろコロナで加速した印象です。職種によって向き不向きもあり、何でも在宅がよいわけではないでしょうから、効果を分析したうえで、よいやり方を追求していきます。ウィズコロナの時代となるので、サテライトオフィス導入の検討も始めました」

趣味は健康増進も兼ねたゴルフで、「フォームは妻をお手本にすることもあります」と謙遜するが、大会で入賞することも少なくない。スポーツが好きで、休日は体を動かして過ごすことがもっぱらで、「経営書や小説など、読書はほとんどしないですね」

「これもコロナ以前からなのですが、社内の風通しをよくしたいと、17年に社内交流制度を立ち上げました。別の事業部の職場を訪問したり、社員同士で仕事と育児の両立を話し合ったりするサークル活動をしています。懇親会を開く費用も助成し、私自身も顔を出して乾杯していますよ。昨年は社内食堂をリニューアルして、社員が気軽に交流できる環境をつくりました。こうした取り組みはもっと広げる必要がありますし、コロナ対応を考えた新しい取り組みも工夫したいですね」

――新製品で売上高の3割を維持する「キープアップ30」を掲げています。

「日本ガイシは絶縁体の『がいし』から始まった企業で、材料関係の研究に強みを持ちます。持っているシーズ(種)から新製品を生み出すとともに、営業部隊から上がってくる『顧客がこんなものを求めている』という情報も参考にして市場を切り開いていく必要があります。新たな技術開発は当社の生命線なので、投資は重点配分しています。次世代の核となりそうな芽はたくさん出ていますよ」

――社長として6年、後継者はどう考えていますか。

「時代も考え方も違うので、自分と同じような人間がリーダーに向くとは考えていません。自分が決めるというよりも、周囲が評価することです。ただ、結局は目的をはっきりさせて走れるか、というリーダーシップが物を言うと思います。自ら考えてほしいから、役員にもこうしろという細かい指示はあまり出しません。そうは言っても、役員にそれぞれ与えられた役割を意識させるための議論には時間をかけています」

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