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日本ガイシ社長 大島卓氏

日本ガイシ社長 大島卓氏 

日本ガイシは連結売上高の約7割を海外で稼ぎ出すグローバル企業だ。大島卓社長には、従業員の多様な個性の違いを把握しつつ、目標に向かってまとめるリーダーシップが求められる。できるだけ現場に足を運び、現場を把握することに力を入れる。「社員が活躍できる環境を整えることが会社の成長につながる」と考えており、「現場で頑張っている社員に恩返しをしたい」と大島社長は語る。

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――職場訪問に力を入れているそうですね。

「現場の社員は、ぷらっと社長がそばに来るから、最初は皆身構えていましたね。でも、徐々に本音を漏らしてくれるのです。例えば、お手洗いに温水洗浄便座があれば、とか、休憩室に電子レンジを導入してほしい、との要望を伝えてくれたので、すぐに応えました。普段から我慢していたけど、社内で言い出しにくかった、という職場では、従業員がかわいそうです」

「こんな事例もありました。セラミックスの事業部門は世界の自動車関連メーカーと取引しています。でも、本社にエクセルで送られてくる顧客情報の書式がばらばらなので、本社の社員が一つ一つ転記していました。それをみて、あまりに非効率だと思い、この部門に情報システム部の社員を異動させて仕事の全体像を把握してもらい、システムを整えました。こうした細かい転記作業は実は多くの部署で悩んでいたことも後に分かったので、順次改善しました」

――国内外の拠点はどう把握しているのですか。

「自動車関連や半導体関連の増産に向けて、この5年間は積極投資をしてきました。このため、年5~6回は海外出張していたのですが、実際に各拠点を訪れてみると、色々な課題が見えてきます。国内も同様です。業績不振が続いた拠点では、人員を減らして工場がうまく稼働しなくなったケースがありました。現場に行くと、その本当の理由は人員減でなく、キーパーソンが抜けたことだと気づきました。細かい話ですが、生産に必要なモノを取り出すのに、わざわざクレーンを出す必要があるとか、現場に行くと『これではだめだ』と思うことはよくあります」

「工場を視察して、安全面などの対策で全く改善が見られない場合は担当役員を注意することもあります。事業部長らがしっかり現場の課題を把握しないといけないのに、放置し続けると大問題につながりかねません。小さなことでもしっかり管理するのは上司の務めです」

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