災害保険を選ぶポイントは
このように、住宅が大きな被害を受けた場合、公的な支援だけで修理や再建をすることは難しいでしょう。そこで検討したいのが、損害保険会社が販売している災害保険への加入です。
先述しましたが、持ち家であれば住宅ローンを組む際に火災保険に加入しているでしょう。少し前のデータになりますが、内閣府の資料によると(※)、12年時点で約8割の世帯が火災保険などに加入していました。
注意したいのが、ローン完済後に契約が切れたままになっているといったケースです。たとえ、ローンの返済が終わっていたり、建物が古くなっていたとしても、被害を受けた際にかかる修理や再建の費用に変わりはありません。火災保険に加入しておきましょう。
悩ましいのが、補償の範囲です。現在販売されている火災保険は、多くの場合、自分でその補償範囲を決めることができます。
また、火災保険は建物だけでなく、家具や家電などの「家財」も補償の対象とすることができます。

補償範囲は幅広くカバーするに越したことはありませんが、その分、保険料は高くなってしまいます。月々支払う保険料と補償内容のバランスを考えて、加入を検討する必要があります。先述したハザードマップを活用して、リスクの高い災害をカバーするのもよいでしょう。
家を買って間もない人は、ローンが残っており、頭金の支払いなどで貯蓄も少なくなっているケースが多いと考えられます。無理のない範囲で、建物の補償は優先的に確保しておくと安心です。
少し話がそれますが、「地震・噴火またはこれらによる津波」による損害は、火災保険の補償の対象外です。地震に備える際は、地震保険に加入する必要があります。地震保険は単独では加入することができず、火災保険とセットで契約します。
http://www.bousai.go.jp/kaigirep/kentokai/hisaishashien2/pdf/dai6kai/siryo5.pdf
保険料の値上げは長期契約で割安になる可能性も
その火災保険の保険料ですが、自然災害の発生が増え、保険金の支払いが増えたことで、保険料金も年々上昇しています。
18年度の保険金の支払額は過去最大の1.5兆円超に膨らんでいるとのこと(「水災補償、値上げに備え 想定被害確認し特約も吟味」)。今後も保険料は引き上げられる可能性があります。
ただ、保険料の引き上げにはタイムラグがあり、18年度の支払いを反映するのは、21年1月以降。早めに契約をし直せば、値上げの影響を避けられるかもしれません。
火災保険の保険期間については、多くの場合、1年~最長10年の間で設定することができます。中には、保険期間を長く設定すればするほど、保険料の割引を受けられる保険もあります。
加えて、「年払い」や「長期一括払い」など、まとめて保険料を支払う方法を選べば、さらに保険料の割引を受けられる商品もあります。
一時的な出費が大きくなりますが、トータルで考えるとおトクです。こちらも無理のない範囲で検討するとよいでしょう。
