自宅で5本試着、LINEで接客 眼鏡通販が使いやすく

日経トレンディ

オンライン接客システムでECが1.5倍に伸びたAOKI

「バニッシュ・スタンダード」が展開する、ECサイトにオンライン接客を組み入れるサービスが、「スタッフスタート」。主要アパレルのほとんどが導入し、オンライン上で月間約8000万円も売り上げる「スター販売員」も誕生している。

休業要請や営業時間短縮などでリアル店舗が減収を受ける中、5月にAOKIもスタッフスタートを取り入れ、同月のEC売り上げは3月の1.5倍に増加した。老舗紳士服メーカーとして全国に519店舗(20年3月時点)を構え、それぞれにビジネスに精通した着こなしのプロを抱える強みを生かし、ECを伸ばす策に打って出た。

スタッフの身長やコメントを参考(左)。AOKIのスタッフスナップのページ(右)。性別・身長で絞り込める

本物のモデルが着用した写真では、自分事として捉えにくいケースも多い。だが、AOKIのECサイトで「スタッフスナップ」をクリックすると、選ばれたスタッフがモデルとなった写真が並ぶ。ネット通販事業部の林亮介氏は、「より身近なスタッフの感想を読めば、お客様が購入しやすくなると感じる」と話す。例えば、身長が低い女性はパンツスタイルを敬遠しがちだが、151センチのスタッフが積極的に提案しているのを見ると、「意外に着られるかも」と背中を押される、といった具合だ。

性別・身長で検索すると、自分の体形に近そうなスタッフをすぐに発見できた。自分に近い体形の人のコーディネートのポイントや着心地は参考になる。それぞれに「ジャケットとネクタイの合わせ方」、上下を組み合わせる「王道ジャケパンコーデ」、「清涼感が抜群」、「抜群のストレッチ性でゴルフなどに活躍」などのワードがあり、より商品を想像しやすくなっている。

スタッフスタートの導入によって意外なヒットもあったという。若手スタッフが、45歳以上の男性向けだった「ノルマンディーリネンジャケット」を着たところ、20~30代に売れ出したのだ。男性は、ビデオ会議などのシーンで活躍するポロシャツ(ビズポロ)を勧めるスタッフが多くいて、売れ行きも上々。従来は動きの悪かった女性用アイテムでは、カットソーやセットアップのスーツが売れ始めた。

若手店員が積極的に紹介したことで20~30代に売れ出した、ノルマンディーリネンジャケット
リモートワークの増加で、女性用カットソーが人気

始めて1カ月、スター販売員誕生のきざしが見え始めた。男性では、東京練馬区・平和台店の20代店長の売り上げが好調だ。投稿の冒頭には〈爽やか!マリンコーデ☆〉など、インパクトのある言葉を入れ、軽く読めることを意識。インスタでは、首元や足元のアップなど、細かいアングルの写真を戦略的に投稿するという。また、商品紹介の動画配信を行う「ライブコマース」にも1年以内に挑戦し、さらにECにも力を注いでいくそうだ。

スタッフ同士で工夫して撮影。投稿はスタッフスタートのアプリから行う

(日経トレンディ 寺村貴彰、写真 小西範和、岩田 慶(fort)))

[日経トレンディ2020年8月号の記事を再構成]

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